5月相場が始まった。今週の注目イベント米FOMCを控えて、ドル買いが継続するか。先週末はドル指数の上昇に調整が入ったが、週明けは再びドル相場が底堅く推移している。米10年債利回りは3%の心理的水準に向けてじりじりと水準を上げてきている。市場では、今回のFOMCでの0.5%利上げを完全に織り込んでいる。焦点は、今後の利上げペースであろう。
世界的に株式市場は不安定な局面に入っている。新型コロナ禍からの回復が需要を喚起したことに加えて、2月24日のロシアのウクライナ侵攻以降はエネルギー価格高騰による輸入インフレ・コストプッシュインフレ、供給制約インフレといった悪いインフレに見舞われていることが背景。
各国中央銀行は目先のインフレ対応、今後の基調インフレ上昇を芽を摘むべく遅きに失しない行動が求められている。しかし、悪いインフレであるだけに、生産ボトルネックや家計の実質所得低下といった頭の痛い課題が山積もしている。各国経済の体力の差が為替相場に浮彫になっているようだ。相対的に経済力の安定している米国とあって、ドル買いに安心感が出ている状況だ。
先週末の相場で、ドル買いに調整の動きが入ったあとで、週明けは再びドル買いの動きが先行しやすいとみられる。ただ、きょうはレーバーデー関連の祝日による各国市場の休場が多い。アジアでは中国、香港、台湾、シンガポール、マレーシアなど。欧州では英国、アイルランドがバンクホリデーとなる。ロシアも休場。取引参加者が少なくなることで、取引の流動性が細る点時には留意したい。
この後の海外市場で発表される経済指標は、スイスSVME購買担当者景況指数(4月)、ドイツ、フランス、ユーロ圏、米国などの製造業PMI・確報値(4月)、米建設支出(3月)、米ISM製造業景気指数(4月)など。
発言イベント関連は、目立った予定は無し。明日のオセアニア早朝にロバートソンNZ財務相の講演の予定される程度。
minkabu PRESS編集部 松木秀明