FOMCの翌日、2日には英中銀(BOE)金融政策会合(MPC)と欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されています。
英中銀MPCは0.5%利上げの継続見通しが大勢となっています。18日に発表された英消費者物価指数(12月)は前年比+10.5%と市場予想通りながら10%を超えるかなり高い水準となりました。10月の11.1%から2ヶ月連続での鈍化とはいえ、水準が水準だけに物価高が収まったという印象はなく、今回の大幅利上げ継続の見通しにつながっています。
ただ、英経済は米経済に比べて厳しい状況にあります。第3四半期GDPは-0.3%とマイナス成長。10月、11月の月次GDPはプラス圏を回復していますが、前月比+0.5%、+0.1%と小幅な伸びにとどまっており、12月の小売売上高の予想外の落ち込みなどもあって、慎重な見通しが見られます。24日に発表された1月の製造業PMIは46.7と12月よりは改善したものの6カ月連続で活動縮小を示す50割れ。同非製造業PMIは予想及び前回値を下回り21年1月以来の低水準となりました。
こうした状況から米国同様に0.25%に利上げ幅を再縮小するとの見通しが一部で見られます。一時は0.5%利上げと見通しが拮抗する場面が見られましたが、消費者物価指数の結果などを受けて0.5%見通しが約80%と大勢となっています。ただ、FOMCと後述のECBの利上げ幅見通しがほぼ一致しているのに対して、可能性の十分ある0.25%見通しになった場合に要注意です。
なお、今回の英中銀は結果及び議事要旨に加え、四半期報告、議長会見のあるスーパーサーズデーにあたっています。前回の会見は0.75%利上げとなった11月3日。それからかなり状況が変わっているだけに、議長がどのような姿勢を示すのかなども注目されます。
もう一つの注目は投票の内訳。前回の0.5%利上げは9名中6名が賛成。1名は0.75%の維持を主張。2名は据え置きを主張しました。今回も2名は据え置き主張となる可能性が高そう。2対7になるのか、0.25%主張が出てくるのかなどの結果次第で、次回以降の利上げ幅縮小見通しに影響してきますので要注意です。
ECB理事会は0.5%利上げの継続で見通しがほぼ一致しています。ユーロ圏の消費者物価指数(CPI/12月)は9.2%と前月の10.1%からはっきりと鈍化。今後の利上げ幅縮小への期待が見られるところですが、スイスで開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)でラガルド総裁が0.5%利上げの継続に言及。複数のECB関係者が賛同の姿勢を示したことから、市場の見通しも一致しています。注目は理事会後の総裁会見で、今後の大幅利上げ継続姿勢が見られるとユーロ買いとなりそうです。
MINKABU PRESS 山岡和雅