24日に衆院議院運営委員会で行われた植田共立女子大学教授の日銀新総裁候補としての所信聴取は、これまでの緩和政策を基本的に肯定し、当面の継続を示すものとなりました。聴取の朝に発表された1月の全国消費者物価指数が生鮮を除くコアの前年比で+4.2%と、第2次オイルショックの影響が残っていた1981年9月以来41年4カ月ぶりという高水準となったことで、所信聴取での質疑応答でも物価動向に関する質問が多く出ていました。
植田新総裁候補は1月の物価について、とりあえずの物価のピークであると発言。次回発表の2月分からインフレ率はかなり大幅に下がったものが出てくるという見通しを示し、基調インフレについてはまだ2%まで距離があるとして、当面の緩和継続姿勢の根拠としました。
それだけに、2月分から本当に物価の伸びが鈍化するのかどうかが注目を集めています。
こうした中、今週3日金曜日に2月野東京消費者物価指数が発表されます。全国消費者物価指数の先行指標という側面が大きい同指標だけに、いつも以上に注目を集めそうです。市場予想は生鮮を除く前年比が+3.3%と、1月の+4.3%から1%の大きな伸び鈍化となっています。1月は東京消費者物価指数の+4.3%に対して全国が+4.2%と差がなかったこともあり、予想通り物価の伸び鈍化が見られると、新総裁の下での緩和維持が期待される形となり、円売りが期待されます。
MINKABU PRESS 山岡和雅