ドル円は米国が祝日で取引量が少ない中で145円80銭台まで。前回介入が入った水準に迫っており、介入警戒感が広がっている。ただ、当局は水準での介入を基本的に否定しており、前回に比べゆっくりとした動きである今回の展開で、前回の水準を付けたから介入が入るという可能性は低い。ただ、前回水準を超え、146円を超えていくことで、ドル高円安に弾みがついて、一気に上昇を見せるようだと、介入が入る可能性はそれなりにあるだけに、上値追いにも慎重という展開に。
行き過ぎた動きには介入を実施するという姿勢を崩していないこと、前回の介入が1日当たりの規模としては過去最大級で、当局の警戒感が示されていることなどから、146円台でどこまで買いが入るか。
もっとも下値もしっかり。先週末の米雇用統計を無難にこなし、来月の米FOMCでの0.75%利上げ、12月のFOMCでの0.5%利上げを織り込む動きが進んでいる。今週13日の米消費者物価指数次第では、動きが加速する可能性もあり、ドル買い基調が継続か。
週末のウクライナ大橋(ロシア本土とクリミア半島を結ぶ橋)の爆破、昨日のウクライナの首都キーウを含む複数都市への弾道ミサイル攻撃などを受けて、ウクライナ情勢への警戒感が広がっており、ユーロ売りドル買い入りやすい地合いとなって居ることも、ドル全面高基調に寄与しそう。
ドル円は介入を警戒しながらも上を意識する展開か。
MINKABU PRESS 山岡和雅