先週末から週明けにかけての政府・日銀による介入ではないかと思われるドル売り円買いに上値を抑えられたドル円は、米債利回りの鈍化を受けたドル売りにさらに値を落としている。介入警戒で上値が抑えられるところでのドル売りということで、動きが大きくなりやすい面も。
先週末にハト派の地区連銀総裁から今後の大幅利上げ継続について警戒感が示されたことで、期待が行き過ぎた感があった市場がいったん調整ムードに。前回のFOMCでの政策金利見通しでは11月0.75%、12月0.5%を意味する年内1.25%が中心シナリオであったにもかかわらず、市場は11月、12月ともに0.75%を織り込みに行く動きを見せていた。そうした金利の強い先高感の調整が入った形。
上を買った参加者の投げがまだ残っているとみられる分、もう少し調整の余地がありそう。上昇の勢いが強かっただけに、下げもある程度大きくなる余地がある。ユーロドルがパリティを超えていくようだと、動きに勢いが出そう。ポンドの政治的な混乱が収まったことも欧州通貨が買われやすい地合いに。こうした対欧州通貨でのドル売りが広がると、ドル円でもドル売りが出ると見込まれる。もっとも、基調としてのドル買い円売りは変わらずか。押し目では買いが出てくる流れか。
MINKABU PRESS 山岡和雅