同時に示されたFOMC参加メンバーによる経済見通し(SEP)の中で、各メンバーによる年末時点での政策金利の見通しを示したドットプロットでは、年内すべての会合で0.25%の利上げを行うという見通しが示され、2023年も3回もしくは4回の利上げを行うという見通しが示されました。これは市場の予想を上回るものでした。
また、FOMC後のパウエルFRB議長の会見では、バランスシートの縮小について、早ければ次回5月にも決定する可能性が示され、FRBのタカ派姿勢が印象付けられる形となっています。
FOMC後のパウエルFRB議長をはじめ、FRB要人の発言を確認すると、次回以降の大幅利上げの可能性について言及する動きが見られます。3月のFOMCでは8対1での0.25%の利上げ決定となり、超タカ派で知られるブラード・セントルイス連銀総裁のみが0.5%の利上げ主張となりました。ブラード総裁ほどではないですが、タカ派として知られるウォーラーFRB理事や、メスター・クリーブランド連銀総裁、ジョージ・カンザスシティ連銀、そして空席となっているボストン連銀総裁の代わりに投票したハーカー・フィラデルフィア連銀総裁らは0.25%の利上げ主張となりました。
ただウォーラー理事や、ハーカー総裁などは、その後の講演などで大幅利上げの可能性に言及しておりタカ派な印象が継続。
今回の議事要旨公表で、どのような議論で大勢の意見が0.25%でまとまったのか、次回以降について、0.5%の大幅利上げの可能性をどこまで意識しているのかなどが注目されるところとなっています。
今年のFOMCの投票メンバーの中で、比較的ハト派と見られるウィリアムズNY連銀総裁ですら、講演などで今後の大幅利上げの可能性に言及しており、FRB内は積極的な引き締めにかなり前向きという印象が広がっています。議事要旨でそうしたマーケットの見通しが強まるようだと、ドル買いの動きにつながる可能性があります。
MINKABU PRESS 山岡和雅