0.5%の利上げが完全に織り込まれています。金利先物市場動向から利上げ確率を見越すCMEFedWatchでは99.8%の確率での0.5%利上げとなっています。
前回3月のFOMCで2018年12月以来3年3カ月ぶりの利上げを実施。パンデミック対応で始まった2020年3月からの事実上のゼロ金利政策を解除しました。米国の3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%と約40年ぶりの高い伸び、インフレターゲットの対象であるPCEデフレータは前年比6.6%、同コアデフレータが前年比5.2%とともにターゲットの2%をはるかに超えるう水準となっており、積極的な金融引き締めが求められる状況です。
注目は今後どこまで大幅利上げが続いていくのか。また0.75%の利上げはあるのかについてです。
CMEFedWatchでは、6月のFOMCでの利上げについて95.6%の確率で0.75%の利上げを見込んでいます。ただ、一気に0.75%の利上げを行うことについては、タカ派といわれるクリーブランド連銀のメスター総裁などからも慎重意見が出ている状況。声明や会見で市場が可能性を強く意識するのかどうかが注目されるところです。6月以降も7月、9月と大幅利上げへの期待が続く中、大花利上げ姿勢を維持する姿勢をどこまで示すのかも注目です。
FOMCのもう一つのポイントは今回開始がほぼ確定的なQT(バランスシートの縮小)です。前回のFOMC議事要旨において、月額上限950億ドル(内訳は米国債600億ドルと住宅ローン担保証券(MBS)350億ドル)での実施見込みが示されています。
注目は縮小方法です。基本的には償還された債券の再投資を行わないことで資産を縮小していく方法となりますが、MBSについては売却を行う可能性が指摘されています。金利上昇局面ではMBSは期限前償還が減少することが多いため、期待通りQTが進まない可能性があるためです。
ただ、売却を行う場合、市場の金利が過剰反応する可能性がありますので注意したいところです。
MINKABU PRESS 山岡和雅