ロンドン市場は、リスク警戒の動きが広がっている。ドル円、クロス円が下落するとともに、ドル円以外の主要通貨ではドル買いが優勢になっている。前日の米消費者物価指数は予想を上回る伸びとなり、前回値からはやや鈍化したものの、前年比+8.3%と引き続き許容できない高いインフレ水準だった。きょうも米生産者物価指数が発表される予定。米FOMCが6・7月会合でそれぞれ50bp利上げを示唆していることに加えて、ECB当局者らが7月利上げ開始について繰り返し言及している。欧州株が大幅安、米株先物は時間外取引で下げに転じている。また、米10年債利回りは前日からの低下の流れが続いており、2.81%台まで一時低下した。ドル円は129円台後半から安値を128.41レベルに更新。ユーロ円は136円台割れから134円ちょうど付近まで下落。ポンド円も158円近辺から一時156.50割れへと連れ安になっている。フィンランドがNATO加盟申請を表明、ロシアとの対立が一段と深まることが懸念されている。また、この日発表された3月の英月次GDPは前月比-0.1%と予想外のマイナス成長となった。ただ、ユーロ対ポンドではユーロ売り圧力が勝っていた。
ドル円は128円台後半での取引。インフレ警戒などで欧州株が大幅安となるなか、米債利回りも一段と低下。ドル円には売り圧力が強まっており、129円台後半から一時128.41レベルまで押し下げられた。その後の戻りは128.80付近までと限定的な動き。
ユーロドルは1.04台前半での取引。欧州株安などリスク回避圧力に押されている。フィンランドのNATO加盟への動きも、ロシアとの対立を深めることとなり欧州経済にとっての不安材料。ユーロドルは1.05台割れから1.0422レベルまで下落した。ユーロ円は136円台割れから134.02レベルまで大幅下落。対ポンドでもユーロが売られている。
ポンドドルは1.22台前半での取引。序盤に1.2166レベルまで下押しされた。3月の英月次GDPが前月比-0.1%と予想外のマイナス成長となったことに反応した。しかし、その後は下げ一服となっている。ポンド円は軟調。円高圧力に押されて、158円台割れから156.40台まで下押しされた。ただ、対ユーロでのポンド買いの動きもあって、その後は157円台に下げ渋っている。ユーロポンドは0.86台割れから0.85台前半へと下落している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明