きょうのドル円は米雇用統計の力強い結果を受けて一気に上昇した。雇用統計まではやや上値の重い展開。東京午前に132円50銭台を付けた後、133円台前半まで上昇も、ロンドン市場に入っても132円台を付ける場面が見られるなど、上値の重さが印象的に。
しかし注目された米雇用統計がサプライズな強さを見せると、流れが一気に変わった。米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想を倍以上も上回る伸びに。前回値が上方修正されたうえでの結果に市場のサプライズとなった。失業率が予想外に低下。平均時給が予想外に上昇と、NFP以外も力強い結果となった。
この結果を受けて、ドル円は急騰した。発表時の133円20銭前後から134円台半ば前後まで一気に進み、そのまま135円ちょうど前後まで。そこで30銭程度の調整を挟むも、勢いは継続し、135円50銭前後まで上値を伸ばした。
その後はいったん調整の動きとなったが、NY午後は135円ちょうどを挟んでの推移となるなど、堅調な地合いを維持した。
今後の米FRBによる追加利上げ期待が一気に強まった形。発表前までは次回9月の利上げについて、0.50%に利上げ幅が縮小するとの見通しが約66%と大勢となっており、34%が3会合連続での0.75%利上げという状況であった。発表後は入れ替わり、約70%が0.75%利上げを見込み、約30%が0.50%利上げを予想するという状況に。この結果に米長期債利回りなども上昇を見せ、ドル買いの動きにつながった。
米10年債は2.70%割れの水準から一時2.867%まで。2年債はそれ以上に上昇。
ユーロドルは1.0230前後から1.0140近くまで値を落とした。ドルはほぼ全面高。もっともドル円でのドル高円安の勢いが強く、ユーロ円は上昇。ロンドン市場で136円割れを付けていたユーロ円は136円20銭台で発表を迎えると、137円76銭をつけている。
利上げ見通しが強まり、米株は下げて始まったが、ダウ平均がプラス圏で引けるなど、株が落ち着いた動きを見せたことで、円売りの動きが広がり、クロス円の買いにつながった面も。
昨日市場予想通り27年ぶりの0.5%の利上げを決めた後、1.22台から1.2060台まで一時値を落としたポンドドルは、1.2150前後まで戻して発表を迎え、発表後のドル買いに1.2000台まで値を落としている。その後は買い戻しも1.21を付けず、上値の重い展開に。
MINKABU PRESS 山岡和雅