ダウ平均 34818.27(+139.92 +0.40%)
S&P500 4545.86(+15.45 +0.34%)
ナスダック 14261.50(+40.98 +0.29%)
CME日経平均先物 27765(大証終比:+105 +0.38%)
きょうの株式市場は方向感がなく、前日終値を挟んでの上下動で推移していたが、引けにかけて買いが強まった。取引開始前に発表された3月の米雇用統計は概ね予想範囲内といったところだが、失業率が3.6%まで低下するなど、力強い米労働市場を示しており、FRBの積極利上げを追認する内容ではあった。ただ、株式市場はネガティブな反応は示していない。
前日は引け間際に急速に売りが強まり、ダウ平均は550ドル安で引けた。1-3月期の相場を象徴するような締めくくりだったが、1-3月期は2020年以来の最悪の四半期となった。3月には買い戻しも入ったものの、ダウ平均は4.6%、S&P500は4.9%、ナスダックは9%以上下落した。
きょうから4-6月期の相場がスタートしたが、高インフレに伴うFRBの積極利上げ、エネルギー価格高騰をはじめとしたウクライナ情勢の影響といった株式市場の難題は何も解決されていない。
米国債市場では2-10年債の逆イールドが示現し始めており、景気後退のシグナルを発している。ただ、今のところ株式市場は看過している状況。逆イールドは景気後退がいつ起こるかを正確に予測するものではなく、歴史的には平均的に20カ月先とも言われている。先行きを占って価格を形成する株式市場でも、景気後退への不安まではまだ強まってはいないようだ。
しかし、今後、米経済が減速していくことは明らかであり、誰もがその事実を認識する必要はあるとの見解も聞かれる。財政支出や金融緩和の追い風が期待できない中、どこか別のポイントでの成長を模索する必要があり、きょうからの4-6月期はより厳しい経済情勢を背景に取引に微妙な食い違いが出ることも考えられるという。そのような中、きょうは次の展開を見極めようという雰囲気が強まっているのかもしれない。
エネルギーが上昇している一方、銀行、IT・ハイテク、自動車株が下落。そのほかのセクターはまちまちな動きとなった。
アップル<AAPL>が軟調。アナリストが同社をフォーカスリストから除外すると発表した。個人消費の減速により、アイフォーンSEの発売による恩恵およびサービス収入の上振れ期待が限定される可能性があると指摘した。しかし、「買い」の投資判断は維持している。同アナリストは同時にスマホの通信モデム用半導体を製造しているクアルコム<QCOM>もフォーカスリストから除外した。
個別にセキュリティのブラックベリー<BB>が大幅安。前日引け後に12-2月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益は予想外の黒字だったものの、売上高が予想を下回ったことが嫌気されている。
動画配信のチキン・スープ・フォー・ザ・ソウル・エンターテインメント<CSSE>が大幅高。前日引け後に決算を発表し、市場は通期のガイダンスを好感。売上高は35%増を見込んでいるが、これは1.49億ドルに相当し、予想を上回る売上高を見込んでいることが示された。
天然ガスのテルリアン<TELL>が大幅高。アナリストが投資判断を「中立」から「買い」に、目標株価も従来の5.50ドルから8ドルに引き上げた。
人工衛星向け部品開発のレッドワイヤ<RDW>が大幅安。前日に2021年の通期決算と2022年の見通しを発表。アナリストからは、未受注、予算の遅れ、サプライチェーンおよびパンデミックの混乱から、今回の決算は短期的な課題を示したと指摘された。
ブラックベリー<BB> 6.75(-0.71 -9.52%)
チキン・スープ<CSSE> 11.49(+3.50 +43.80%)
テルリアン<TELL> 6.33(+1.03 +19.43%)
レッドワイヤー<RDW> 6.05(-2.43 -28.66%)
クアルコム<QCOM> 146.99(-5.83 -3.81%)
アップル<AAPL> 174.31(-0.30 -0.17%)
マイクロソフト<MSFT> 309.42(+1.11 +0.36%)
アマゾン<AMZN> 3271.20(+11.25 +0.35%)
アルファベットC<GOOG> 2814.00(+21.01 +0.75%)
テスラ<TSLA> 1084.59(+6.99 +0.65%)
メタ・プラットフォームズ<FB> 224.85(+2.49 +1.12%)
AMD<AMD> 108.19(-1.15 -1.05%)
エヌビディア<NVDA> 267.12(-5.74 -2.10%)
ツイッター<TWTR> 39.31(+0.62 +1.60%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美