ロンドン市場では、ドルの上値が重い。前日のウクライナ・ロシア停戦協議で進展が見られたことがドル安とユーロ高の動きを広げたが、きょうもその流れが続いている。ただ、ロシア大統領府は、ウクライナとの交渉に急展開ない、多くの作業残る、クリミアはロシアの一部などとしており、強硬姿勢を崩していない。報道を受けてユーロ高が一服する動きをみせている。ユーロドルは序盤に1.1160台まで高値を伸ばしたあと、1.1120台までの反落。前日からの高値水準は維持している。カジミール・スロバキア中銀総裁は、最初の利上げは2022年末近くとなる公算と述べた。ポンドドルも堅調で、高値を1.3160近辺へと伸ばしている。クロス円は東京市場で下押しされたあとは下げ渋り。ユーロ円は一時136円付近まで上昇、ポンド円は160.50付近まで上昇した。ドル円は東京市場で大幅下落となったあとは、一時122円台を回復。ただ、122円台では売りに押されており、121円台後半で売買が交錯している。欧州株は前日の大幅高の反動で軟調な動き。米債利回りは低下一服。原油先物は底堅く推移している。
ドル円は121円台後半での取引。東京市場では123円台から121.50割れまで下落した。日銀総裁が総理官邸で首相と会談、市場に円安けん制の動きへの思惑が広がったことが背景だった。しかし、黒田総裁は為替に関する内容について特段話し合われなかったとしており、円高は一服した。東京午後からロンドン市場にかけては122円台に何度か乗せる場面があったが、大台乗せでは売りに押される展開が続いている。欧州株は前日の大幅高に調整が入り上値が重い。一方、米10年債利回りは2.41%台へと上昇しており、ドル円を下支えしている。
ユーロドルは1.11台前半での取引。前日からの上昇の流れを受けてロンドン序盤には1.1162レベルまで高値を伸ばした。一連のドイツ各州のインフレが一段と高進したことや、カジミール・スロバキア中銀総裁は、最初の利上げは2022年末近くとなる公算と述べたことなどがユーロ買いのつながった面もあったようだ。しかし、ロシア大統領府は、ウクライナとの交渉に急展開ない、多くの作業残る、クリミアはロシアの一部などとしており、強硬姿勢を崩していない。ユーロ買いは一服している。ただ、前日からのユーロ高・ドル安水準は維持している。ユーロ円はドル円とともに下げ一服。一時136円台を回復する場面があった。しかし、対ドルとともに上値を抑えられて、135円台半ばまで下押しされた。対ポンドでは0.84台後半で上に往って来いと方向性に欠けた。
ポンドドルは1.31台半ばでの取引。東京市場からの堅調な流れが続いており、ロンドン序盤には1.3160近辺に高値を伸ばした。ただ、ほぼ前日高値と並んだあとは売買が交錯して高止まりしている。ポンド円は東京市場で159円近辺まで下落する場面があったが、その後は下げ渋っている。ロンドン序盤には160.50近辺まで買い戻しが入った。ユーロポンドは買いが先行したが、0.85台手前で上値を抑えられると、0.8460台へと押し戻されている。ポンド独自の材料は見受けられなかった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明