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ドルの戻り売りが加速 ドル円は143円台まで一時急落=NY為替概況

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28

2022-12

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2022-12-28
市場予測
ドルの戻り売りが加速 ドル円は143円台まで一時急落=NY為替概況
 きょうもNY為替市場はドルの戻り売りが加速。10月相場に入って雰囲気が一変しており、米国債利回り低下およびリスク選好のドル売りが強まっている。序盤のドル円は144円台後半で上下動していたが、この日発表の8月の米求人件数が予想以上に減少したこともあり、143円台まで急速に下落した。

 9月は過度に利回りが低下し、株安も進んだことから、その巻き返しが出ているだけで、ファンダメンタルズに何も変化はないとの指摘は依然として多い。

 しかし、一部からはFRBの利上げサイクル終了への期待も台頭しているようだ。米国債利回りとドルの下落は、市場参加者がFRBの利上げサイクル終了が可視化し始めていることを一部反映している可能性があるという。来年に到達が予想されている今回の利上げサイクルのターミナルレート(最終着地点)に対する市場予想も先週の4.75%から4.39%程度に低下している。今週末の米雇用統計、そして、来週の米消費者物価指数(CPI)が、その期待を高める内容であれば、巻き戻しの動きが一気に加速する可能性があるという。

 ユーロドルは買い戻しが膨らみ、パリティ(1.00ドル)手前まで回復。きょうの上げで21日線を上回る動きが見られており、リバウンド相場に入るか、注目の動きが見られている。

 市場では先週のユーロ圏消費者物価指数(HICP)を受けて、今月のECB理事会での0.75%の利上げをほぼ確実視している。FRBと同様の動きをし始めたECBだが、ECBはFRBよりも引き締めを長く続けざるを得なくなるとの見方も出ている。ユーロ圏のコアインフレは米国よりも低下するのに時間がかかる可能性があると指摘。これは欧州がエネルギー供給のショックに引き続き見舞われるためだとしている。FRBは来年後半には利下げに転じる可能性があるのに対し、ECBは2024年までに利下げを行えれば良いほうだという。

 ただ、ユーロ低迷は防げない可能性も指摘。8月中旬以降、FRBとECBの間の格差拡大に対する市場の期待は縮小している。しかし、それでもユーロの下落は止まらず、対ドルではさらに5%も下落していた。基本的に投資家は、今回のエネルギー・ショックによるインフレは1970年代に欧米を襲ったショックとは異なると見ているという。

 ポンドドルは買い戻しが膨らみ、1.14ドル台を回復。きょうの上げで21日線を上回って来ており、このままリバウンド相場を継続できるか注目の動きが見られている。クワーテング英財務相が金融市場を安心させるため、中期財政計画の発表を前倒しするとの報道が伝わったこともポンドの買い戻しに安心感を与えている模様。同財務相は11月23日に経済予測と伴に中期財政計画を発表する予定だったが、今後はより早く発表することになるという。ただ、クワーテング英財務相は否定している。

 また、市場は一時高まっていた英中銀の緊急利上げの可能性を完全に排除している。英中銀の緊急利上げ見送りと同時に、次回の金融政策委員会(MPC)で実施されるであろう利上げ幅の見通しも、先週の約1.60%ポイントから1.07%ポイントに大幅に下方修正している状況。

 英国は現在、金利と通貨が負の相関を新興市場のような取引をしていることを思い起こさせるように、金利予想の低下が逆にポンドの買い戻しを誘発している。さらに、英国債は逆イールドが解消し、イールドカーブもフラットな状態に戻り、安定を取り戻しているようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

 NY時間の終盤に入ってドル売りの動きは加速しており、ドル円は一時143.90円付近まで下落している。きょうもNY為替市場はドルの戻り売りが加速。10月相場に入って雰囲気が一変しており、米国債利回り低下およびリスク選好のドル売りが強まっている。序盤のドル円は144円台後半で上下動していたが、この日発表の8月の米求人件数が予想以上に減少したこともあり、143円台まで急速に下落した。

 9月は過度に利回りが低下し、株安も進んだことから、その巻き返しが出ているだけで、ファンダメンタルズに何も変化はないとの指摘は依然として多い。

 しかし、一部からはFRBの利上げサイクル終了への期待も台頭しているようだ。米国債利回りとドルの下落は、市場参加者がFRBの利上げサイクル終了が可視化し始めていることを一部反映している可能性があるという。来年に到達が予想されている今回の利上げサイクルのターミナルレート(最終着地点)に対する市場予想も先週の4.75%から4.39%程度に低下している。今週末の米雇用統計、そして、来週の米消費者物価指数(CPI)が、その期待を高める内容であれば、巻き戻しの動きが一気に加速する可能性があるという。

 ユーロドルは買い戻しが膨らみ、パリティ(1.00ドル)手前まで回復。きょうの上げで21日線を上回る動きが見られており、リバウンド相場に入るか、注目の動きが見られている。

 市場では先週のユーロ圏消費者物価指数(HICP)を受けて、今月のECB理事会での0.75%の利上げをほぼ確実視している。FRBと同様の動きをし始めたECBだが、ECBはFRBよりも引き締めを長く続けざるを得なくなるとの見方も出ている。ユーロ圏のコアインフレは米国よりも低下するのに時間がかかる可能性があると指摘。これは欧州がエネルギー供給のショックに引き続き見舞われるためだとしている。FRBは来年後半には利下げに転じる可能性があるのに対し、ECBは2024年までに利下げを行えれば良いほうだという。

 ただ、ユーロ低迷は防げない可能性も指摘。8月中旬以降、FRBとECBの間の格差拡大に対する市場の期待は縮小している。しかし、それでもユーロの下落は止まらず、対ドルではさらに5%も下落していた。基本的に投資家は、今回のエネルギー・ショックによるインフレは1970年代に欧米を襲ったショックとは異なると見ているという。

 ポンドドルは買い戻しが膨らみ、1.14ドル台を回復。きょうの上げで21日線を上回って来ており、このままリバウンド相場を継続できるか注目の動きが見られている。クワーテング英財務相が金融市場を安心させるため、中期財政計画の発表を前倒しするとの報道が伝わったこともポンドの買い戻しに安心感を与えている模様。同財務相は11月23日に経済予測と伴に中期財政計画を発表する予定だったが、今後はより早く発表することになるという。ただ、クワーテング英財務相は否定している。

 また、市場は一時高まっていた英中銀の緊急利上げの可能性を完全に排除している。英中銀の緊急利上げ見送りと同時に、次回の金融政策委員会(MPC)で実施されるであろう利上げ幅の見通しも、先週の約1.60%ポイントから1.07%ポイントに大幅に下方修正している状況。

 英国は現在、金利と通貨が負の相関を新興市場のような取引をしていることを思い起こさせるように、金利予想の低下が逆にポンドの買い戻しを誘発している。さらに、英国債は逆イールドが解消し、イールドカーブもフラットな状態に戻り、安定を取り戻しているようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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