そのような中で、世界の成長見通しに対する投資家の懸念がエスカレートし続けている。上記の米CPIの結果にもかかわらず、序盤の米株は上昇していたが、結局、上値を抑えられ失速している。リスク回避の雰囲気がドル円の見切り売りに繋がっているようだ。
FRBや他の中銀もインフレを引き下げようと躍起となる中で、景気後退を伴わないソフトランディングを達成できるのか、市場では懐疑的な見方が強い。パウエル議長は先週のFOMCで0.75%の利上げ期待は退けたものの、6月FOMC以降、0.50%利上げが継続されるとの予想も増えている。一方、ECBは資産購入終了後すぐにでも利上げに踏み切る意向を滲ませており、早ければ7月にも最初の利上げが開始されるとの見方が強まっている。各国中銀の積極引き締めが需要を一気に冷え込ませ、景気後退を誘発するとの見方が更に強まっているのかもしれない。
USD/JPY 129.63 EUR/JPY 136.42
GBP/JPY 159.10 AUD/JPY 89.97
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美