前日のブレイナードFRB理事の発言を受けて、次回5月のFOMCでのバランスシート縮小開始への期待が高まっている。ただ、月950億ドルづつの縮小であれば、市場が考えているほど急速な縮小とまでの印象はないようだ。ただ、タカ派な雰囲気には変わりはない。
ユーロドルは議事録公表後に1.0880ドル近辺まで下落したものの、1.09ドルちょうど付近に戻す動き。ドルは最近の上昇にもかかわらず、ユーロや他のG10通貨の一部に対して過小評価されたままの可能性があるとの指摘も聞かれる。ブレイナードFRB理事が一連の利上げとバランスシートの急速な縮小を求めた後、米国債利回りは急上昇した。その急速な利回りの動きに対して、ドルはまだ追いつく余地があるという。そのため、ドルは高値圏にはあるものの、ドルロングの調整よりも、積み増しのほうが適切だという。
ポンドドルは1.30ドル台後半で推移。東京時間には一時1.3045ドル付近まで下落していたものの、海外市場に入って買い戻しが見られている。ただ、積極的に戻りを試そうという雰囲気まではない。本日の21日線は1.31ドル台前半に来ているが、その水準の下での値動きが続いている。
英国では財政の引き締めや高インフレで生活費が圧迫されている。消費者の信頼感も低下しており、先月発表されたGFK消費者信頼感指数は急低下し、1990年代、2008年、2020年にみられた水準まで低下していたが、いずれもマイナス成長に陥いっている。第2四半期の英GDPはマイナス成長との見方も多い。第3四半期もマイナス成長となれば、テクニカル的なリセッション(景気後退)だが、そこまではまだ想定されていないようだ。ただ、英中銀は以前の想定ほど利上げを実施しないとの見方も有力になりつつある。その場合、FRBとの格差が拡大し、ポンドドルを圧迫する。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美