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ドル円は125円台半ばでの推移=NY為替後半

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12

2022-04

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2022-04-12
市場予測
ドル円は125円台半ばでの推移=NY為替後半
 週明けもNY為替市場はドル買いが優勢となっており、ドル円も上値追いを加速している。125円台をあっさりと回復し、一時125.70円付近まで上昇した。2015年6月以来の高水準。目先は2015年のアベノミクス時に付けたピークである125.85円付近が意識されている。ドル強気派が取り組むべき最初の上値抵抗だという。

 市場からは、注目すべきはそれだけではないとの指摘も聞かれる。125.85円水準より上は、2002年1月に付けた135円台前半の高値まで、テクニカル的な上値抵抗がほとんどなく、テクニカル的な抵抗を探すには別の場所に目を向ける必要があるという。ドル・インデックスの上昇にトレンド枯渇の兆しが見られており、その場合、ユーロが対ドルで買い戻され、焦点がユーロの巻き戻しに移動すれば、ドル円にも変化がある可能性があるという。今週のECB理事会やフランス大統領選の第2回目投票が、地政学やインフレの動きと並んで、第2四半期の円のバイアスの鍵を握っているかもしれないと述べている。

 過熱感は依然として高く、過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは79と買われ過ぎの水準である70を上回る展開は続いている。FRBのほか、他の主要中銀が利上げに動く中で、日銀はまだその気配を見せていない。金融政策の格差拡大観測が円安を誘発しているが、市場からは、円に対する悲観論は行き過ぎかもしれないとの声も聞かれる。いずれ日本の経常収支は改善し、長期的に円を下支えするという。円安とコモディティ価格の上昇は輸入物価を上昇させ、過去のサイクルよりも劇的な円安のフィードバックの繰り返しを生み出している。しかし、円安が日本の輸出に与えるプラスの影響は、今後数四半期で顕在化し始めるという。

 ユーロドルは売りが優勢となっており、1.0875ドル近辺まで一時下げ幅を拡大。目先は、3月にサポートされた1.08ドルちょうどの水準が意識される。きょうのドイツ10年債利回りは一時0.82%まで上昇し、2015年以来の高水準となった。ウクライナ危機など欧州経済には不安材料が目白押しなものの、ECBは今週の理事会でタカ派に転じるのではとの期待も出ている。短期金融市場では年内に2回の利上げは織り込み済みで、3回の利上げを織り込む動きも出ている。

 最近のユーロ圏の国債利回り上昇とスプレッド拡大は、資金調達環境の悪化がインフレよりも成長に悪影響を与えることから、ECBのスタグフレーションへの懸念を悪化させる可能性があるとの指摘も聞かれる。長期金利が急上昇している現在の環境下でECBは、利回りの上昇速度を注意深く監視しており、脆弱なユーロ圏の経済の中で、この上昇が持続するかを見極めるという。長期金利の急上昇が続けば、景気回復の足かせとなり、さらなるストレスを引き起こす可能性があるとしている。

 ポンドドルはNY時間にかけて買い戻しが優勢となり、1.30ドル台で推移している。ロンドン時間の朝方には1.30ドルを割り込む場面も見られていた。1.30ドルは心理的節目でもあり、下値ではショートカバーも大量に入っていたようだ。

 英統計局(ONS)がこの日発表した2月の英月次GDPは前月比0.1%増となり、予想(0.2%増)を僅かに下回った。エコノミストらは、ウクライナ危機が数十年ぶりの高インフレに影響を与える中、先行きは厳しいとみている。ONSによると2月はサービス業は成長に大きく寄与したものの、製造業および建設業の減速がそれを相殺したという。

 今回の英GDPは成長のモメンタム拡大を示唆するものはほとんどないとの声も聞かれる。2月のサービス業の成長のほとんどは、宿泊や旅行などの観光業によるもので、オミクロン株で落ち込んだ反動が出た可能性が高い。今後、生活費危機が強まることが確実視される中で、今後の英個人消費の見通しは暗い。英GDPは第1四半期こそ1%の拡大を示すものの、第2四半期と第3四半期は成長が急速に減速し、英中銀の最近の慎重姿勢を裏付けると見ているようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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