市場では、FRBは0.50%の大幅利上げと9兆ドルまで拡大しているバランスシートの縮小を打ち出してくることを確実視している。ただ、それ自体はすでに織り込み済みで、市場はFRBがどの程度利上げに積極的なのかのヒントを待っている状況。
一方、パウエルFRB議長が市場の利上げ期待をどの程度支持するかによってFOMCに対するドルの反応が変わるとの声も聞かれる。パウエル議長が現段階で、市場の利上げ期待を支持する可能性は高いが、それがどの程度なのかを注目している。市場は6月、7月も大幅利上げの可能性を織り込んでおり、そのうち1回は0.75%の利上げを高確率で織り込んでいる状況。
一部からは、短期的に米国債利回りはさらなる上昇が想定されるほか、ファンド勢はドル高を見込んでロングポジションを積み上げている。ドルインデックスも2002年12月以来の高値水準まで上昇しているものの、さらにドルは買われる余地を残しているとの指摘も出ている。
ユーロドルはやや買い戻しの動きが見られ、1.05ドル台半ばでの推移。市場の一部からは、ウクライナ危機のリスクが依然として継続する中で、ユーロドルの回復を想定することは困難との声も出ている。ユーロドルがこれ以上下がらないとしたら、それは非常に驚くべきとさえ思うとも述べている。
多くの悪材料はすでに織り込み済みではあるものの、それ以上に悪材料が出る可能性も常にあるとしている。もし、EUが天然ガスのルーブル支払いというロシアからの要求を拒否すれば、EU内での天然ガス不足が広まり、ユーロはパーフェクト・ストームの事態に陥るという。そのような中でユーロドルはパリティ(1.00ドル)を下回る可能性があるとも指摘した。
ポンドドルは上値の重い展開が続いており、再び1.25ドルを割り込む動きが見られている。市場からは、本日のFOMCまたは明日の英中銀金融政策委員会(MPC)の通過後、ポンドは重要なレベルである1.25ドルを下放れる可能性があるとの指摘も出ている。
ここ数日、ポンドドルは何度か1.25ドル割れを試しているが、いまのところすぐに回復している。しかし、下放れするのは時間の問題だという。そのきっかけとなるのが本日のFOMCと明日の英MPCで、FOMCはさらなる積極利上げを示唆する可能性が高いほか、明日の英MPCでは、将来の利上げへのタカ派予想が覆され、その場合、ポンドは売りで反応する可能性があるとしている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美