今週は4日水曜日にFOMCの結果が発表され、0.50%の大幅利上げが確実視されている。市場もそれ自体は既に織り込み済みで、焦点はFRBがより積極的な引き締めサイクルを示唆するかどうかに注目を集めている。市場では6月、7月の大幅利上げ実施を織り込む動きが出ている。中にはそのうちの1回は0.75%の可能性を見込む声もあるようだ。一方、CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、FRBが6月に0.75%の利上げに踏み切る確率を1カ月前の19%から90%超まで拡大させている。今週が0.50%、6月が0.75%となった場合、政策金利であるFF金利の誘導目標は1.50%-1.75%まで上昇することになる。
ただ、FOMCメンバーの大半は6月以降の利上げペースを縛ることに抵抗があると見られ、データ次第との見方は堅持するものと思われる。
きょうから5月相場に入る中でユーロドルは戻り売りに押され1.05ドルを再び割り込んでいる。ユーロドルはパリティ(1.00ドル)まで下落との見方も出る中で、逆に1年先までにはユーロ高になるとの声も聞かれる。ECBは今後12カ月以内に利上げを開始する可能性が高く、ユーロドルは買い戻される可能性があるという。今後数カ月はドル高が続くと思われるが、年末に向けて市場の焦点はECBの利上げに移ると指摘している。その時にはインフレの落ち着きも相まって、ECBは12月に利上げを開始し、中銀預金金利を現在の-0.50%から2023年末までには0.75%まで引き上げると予想しているようだ。
ポンドドルも1.25ドル割れ。米10年債利回りが3%をうかがう展開を見せる中でドル買いの動きは根強く、ポンドドルは再び下値模索となっている。きょうは対ユーロでも軟調な動き。
今週は英中銀金融政策委員会(MPC)と地方選挙が予定されておりポンドの焦点となりそうだ。市場は0.25%の利上げを見込んでいるが、それはすでに織り込んでおり、焦点は6月と8月の追加利上げに移っている。その意味でも今回は、政策委員から利上げ反対の主張があるかどうかが注目されている模様。英中銀が高インフレと成長鈍化のリスクをどう均衡させるか、長期インフレ予測が目標の2%からどの程度かい離しているかが焦点になる。
一方、地方選挙では、ジョンソン英首相に対する国民の支持が示される。ジョンソン首相は、パンデミックの厳しい規制下で首相官邸で開かれた自らの誕生日を祝う会合に出席したことについて、議会で謝罪している。ただ、野党などからは辞任を求める声が強まっている状況。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美