ロンドン市場は、全般に動意薄となっている。ドル円は東京市場からの148円台後半での膠着状態が続いている。先週末から度重なる覆面介入とみられる激しい値動きがあり、投機的な行動がひとまず封鎖された格好となっている。今後、米国との調整がスムーズに行くのかとうかが懸念されるが、現時点では小康状態を保っている。欧州通貨がまちまちの動き。ポンドが堅調に推移する一方で、ユーロは上値が重い。ユーロポンドが下落している。ポンド相場にとってはスナク英首相の誕生が市場の安定に寄与しているようだ。一方で、その経済手腕についてはまだ未知数な面があり、31日の中期財政計画の発表までは予断は許されない。ユーロポンドの下落には前日の上昇に対する調整の面もあったようだ。ユーロ相場にとっては10月独Ifo景況感指数が予想を上回ったことは好材料だが、Ifoエコノミストによると第4四半期がマイナス0.6%成長と予測されており、冬季のリセッションの公算が高まっていると指摘された。ポンドドルは1.1270近辺を安値に1.1340近辺まで上昇。一方、ユーロドルは0.9880近辺が重くなり、0.9850付近まで軟化している。ユーロポンドは0.8750付近から0.87台割れ水準へと下落している。
ドル円は148円台後半での取引。東京朝方に148.60近辺まで下落したあとはすぐに149円台乗せまで反発。しかし、介入警戒感もあって149円近辺では上値を抑えられた。下押しも148.80近辺まで。ロンドン時間では148.80台から90台での膠着相場が続いている。前日NY時間にはイエレン米財務長官が事前に日本側からの介入の通知がなかったことが報じられており、今後の介入で日米の意思疎通がスムーズに行われるのか不安視する見方もでていた。
ユーロドルは0.98台半ばでの取引。東京朝方につけた0.9899レベルを高値に、その後は上値重く推移している。ロンドン時間には0.9880付近が重くなり、取引中盤にかけて0.9850割れ水準まで軟化している。ユーロ円は147円台割れから146.70付近へと下押しされている。対ポンドでのユーロ売りフローが継続しており、ユーロ相場の上値を抑えている。前日の動きに対する調整の面が強いようだ。今週27日にはECB理事会の結果が発表される。10月独Ifo景況感指数は予想を上回ったが、Ifoエコノミストは冬季のリセッションを想定するなど厳しい状況に変化はみられず。
ポンドドルは1.13台前半での取引。ロンド朝方に1.1270付近まで下落したあとは、買いに転じている。1.1340近辺に高値を伸ばし、その後も1.13台前半の高値水準を維持している。ポンド円も堅調。168円付近から168.90台まで買われている。ユーロポンドが下落。0.8750付近から一時0.87台割れ水準まで軟化している。スナク英首相の誕生が好感されたほか、前日の値動きに対する調整の面も指摘される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明