ロンドン市場は、比較的落ち着いた展開。ドル円は先週末の乱高下に続いて、週明け東京朝方にも149円台後半から145円台半ばまで急落する場面があった。その後は買戻しが入り148円台後半でしばし膠着。ロンドン時間に入ると米債利回りの下げ渋りとともにじりじりと買われて145.40台まで買われている。ただ、円買い介入への警戒感もあって一段の上値追いには慎重になっている。市場筋の推計によると21日の介入規模は過去最大の5.4~5.5兆円に上るとみられている。英国では保守党党首選でスナク元財務相が党所属議員の半数を上回る支持を得たと報じられている。週末にジョンソン元首相やモーダント候補が相次いで出馬を撤回しており、スナク首相の誕生がほぼ確定的となっている。英国債が買われており、市場は歓迎しているもよう。ただ、ポンド相場は静かな展開。対ドルでは1.13台を離れず。ポンド円は169円を挟んだ上下動に落ち着いている。ユーロ相場も静か。米債利回りの上昇がややドル買い圧力となりユーロドルは0.98台半ばから0.98手前水準まで小幅に軟化。ユーロ円は146円台後半を中心に底堅く推移している。この日発表されたユーロ圏や英国の10月PMI速報値は高インフレやエネルギー不安を受けていずれも低下したが、市場は目立った反応を示していない。中国での新体制発足を受けて中国株などが大幅安となり、リスク回避圧力で豪ドルが軟調だが、その他主要通貨の反応は限定的。
ドル円は149円台前半での取引。先週末NY市場で152円手前から146円台前半へと急落する場面があった。また、週明け東京早朝にも149.71レベルまで買われたあと一気に145.56レベルまで急落する場面があった。いずれも政府・日銀による覆面介入とみられていた。ロンドン市場では148円台後半からのスタート。東京時間に低下していた米債利回りが上昇の動きに転じるなかで145.50手前へとじり高の動きとなった。ただ、米債利回りの上昇が一服、円買い介入への警戒感が残るなかで上値追いにも慎重になっている。市場筋によると21日の介入規模は5兆円超と過去最大とみられている。
ユーロドルは0.98台前半での取引。0.98台半ばが重くなっており、一時0.9807近辺まで軟化している。米債利回りの上昇の動きがドル買い圧力となっている。ユーロ円はドル円の上昇とユーロドルの軟化に挟まれて、146円台後半での揉み合いが続いている。対ポンドでも目立った方向性は示していない。全般に落ち着いた相場展開になっている。
ポンドドルは1.13台前半での取引。米債利回りの上昇局面で1.13台割れ水準に軟化したあとは、1.1350手前まで反発。その後再び1.13台前半で上値重く推移している。ポンド円は169円台を挟んだ上下動が続いている。168.70台から169.50付近でのレンジ取引となっている。ユーロポンドは0.8660台から0.8690近辺での揉み合い。次期首相としてスナク元財務相が選出されることがほぼ確定的になっているが、週明けオセアニア市場でポンド買いが入ったあとは売買が交錯している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明