ロンドン市場は、ドル売りが優勢。英米など主要国の債券利回りが低下するなかで、欧州株や米株先物が堅調に推移。全般的にリスク選好の動きとなっていることが背景。そのなかで、次第にユーロ高の面も広がっている。特に対豪ドルでのユーロ買いが鮮明に。ユーロドルは0.98台半ばから買われ、ロンドン午前には0.9904近辺まで高値を伸ばしている。一方で、ポンドドルは1.13台前半から序盤に1.1429近辺まで買われたあとは、1.13台前半へと反落。豪ドル/ドルは0.64台後半から0.6547近辺まで高値を伸ばすも、その後は再び0.6470近辺へと上に往って来いとなっている。ユーロポンド、ユーロ/豪ドルはともに堅調に推移している。今週急落したクレディスイス株が急反発しており、欧州株のムードが好転した面が指摘される。また、この日25bpの利上げにとどめた豪中銀と、今後も積極利上げが期待されるECBとのスタンスの差が意識された可能性もありそうだ。8月ユーロ圏生産者物価指数は前年比+43.3%と過去最高を記録。エネルギーを除くと前回からは伸び鈍化となったものの、今後の冬季に向けたエネルギー価格高騰を考えると、水準は一段と上昇する公算が高い。ドル円は144円台後半での取引に終始しており、動意薄。東京市場からの144.41-144.92のレンジ内にとどまっている。
ドル円は144円台後半での取引。東京市場で144.41から144.92のレンジを形成。その後はレンジ内での取引に終始している。ロンドン序盤には全般的にドル売りが優勢となったが、144.50付近では下げ止まった。米10年債利回りは一時3.56%割れまで低下した。
ユーロドルは0.98台後半での取引。東京市場では0.98台前半でじり高となっていたが、ロンドン時間に入ると米債利回り低下とともに騰勢を強めている。取引中盤にかけては0.9904近辺まで高値を広げ、9月22日以来のユーロ高・ドル安水準となった。ユーロ円は142円台半ばを上抜けると143円台前半へと上伸。欧州株の堅調な動きが下支えとなっている。また、対ポンドや対豪ドルでもユーロが買われており、次第にユーロ高相場の様相を呈している。
ポンドドルは1.13台前半での取引。序盤のドル安局面では1.13付近から1.1429近辺まで買われた。しかし、大台は維持できず1.13台前半へと押し戻されている。ポンド円も164円付近から一時165.20近辺まで買われた後は、164円台前半へと戻す動き。ユーロポンドは0.8650付近に下押しされたものの、その後は0.87台前半へと買われている。対ユーロでのポンド売りが重石となっている。英財務相が所得税の最高税率引き下げを撤回したことが市場に好感されたが、英経済政策をめぐってはまだ不透明感も残っている。トラス政権は受難の船出となっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明