ロンドン市場は、ドル買いが優勢。ロンドン序盤にかけてドル買いの動きが強まった。この日はポンドドルの下落が相場をけん引した。英小売売上高が予想以上に落ち込んだことをきっかけに1.14台前半から一時1.1350付近まで下落。1985年以来のポンド安・ドル高水準となった。ポンドは対円や対ユーロでも売られている。経済状況が悪化するなかで、インフレ率は依然として10%近い高水準となっており、英中銀は厳しい選択を迫られる状況になっている。ユーロドルも売りに押されてパリティ水準手前から0.9945近辺まで一時下落。その後は下げ渋りとなっている。ECBは積極的な利上げ姿勢をみせており、この日のECB高官発言でも追加利上げの必要性が強調された。また、ユーロ相場をきわめて注視と発言するなど、ユーロ安けん制的な面もみられた。ただ、パリティ水準までは戻らず、根強いドル高圧力がみられている。ドル円は上下動。ロンドン朝方には143.69近辺まで買われたが、その後は株安とともに円買い圧力に押され、143.10台まで反落した。クロス円も軟調。ユーロ円は143円台半ばから142円台後半へ、ポンド円は164円台前半から一時163円割れまで下落した。来週の米FOMCでの大幅利上げ観測が広がるなかで、きょうは米国発の新規材料に欠けている。ドル高水準を模索しつつも、神経質な値動きとなっている。
ドル円は143円台前半での取引。東京朝方に143円台前半から142.80台まで売りが入った。しかし、その後は買いに転じて143円台半ばまで戻した。ロンドン朝方には再び買われて143.69近辺に高値を伸ばした。ロンドン時間に入ると売りに押されて143.10台まで再び下げている。この日は米債利回りの上昇が比較的小幅にとどまっており、ドル円は143円台を中心に方向性に欠ける取引となっている。
ユーロドルは0.99台後半での取引。東京市場では1.00のパリティ付近で揉み合ったが、ロンドン序盤にはポンドドルの下落につれて0.9945近辺まで下押しされた。その後は0.9990付近へ買い戻されている。ユーロ円は朝方に143.50台まで買われたあとは、142.65近辺まで一時下落した。ECBの積極利上げ姿勢を背景に独仏株などが下落しており、リスク回避圧力がかかる面があった。ただ、デギンドスECB副総裁やビルロワデガロー仏中銀総裁がユーロ安をけん制する発言をしており、ユーロは下げ渋っている。対ポンドではユーロ買いが優勢だった。
ポンドドルは1.14付近での取引。東京午後に1.1450割れとなったあと、英小売売上高が予想以上の落ち込みを示したことをきっかけに急落。1.14台割れから一時1.1350付近まで下げ、1985年以来のポンド安・ドル高水準となった。ポンド円は164円台割れから一時162.75近辺まで下落。ユーロポンドは0.8720付近から0.8770付近へと上昇、連日のポンド売りとなっている。ユーロ圏以上の高インフレと経済状況の悪化に英国は苦しんている状況。
minkabu PRESS編集部 松木秀明