短期金融市場では次回6月のFOMCでの0.75%の利上げ確率を95%まで高めていたが、一気に後退させている。大幅連続利上げへの期待は依然として高いものの、議長の会見は、市場の過度な利上げ期待はけん制した格好となった。
FOMCの結果については、0.50%の大幅利上げと9兆ドルまで拡大しているバランスシートの縮小を打ち出した。バランスシート縮小については、6月から月475億ドルで開始し、縮小ペースは3カ月後に最大月950億ドルまで拡大するとしている。
ユーロドルは買い戻しが強まり、1.06ドル台に上昇。市場の一部からは、ウクライナ危機のリスクが依然として継続する中で、ユーロドルの回復を想定することは困難との声も出ている。これ以上ユーロドルが下がらないとしたら、それは非常に驚くべきとも述べていた。
多くの悪材料はすでに織り込み済みではあるものの、それ以上に悪材料が出る可能性も常にあるとしている。もし、EUが天然ガスのルーブル支払いというロシアからの要求を拒否すれば、EU内での天然ガス不足が広まり、ユーロはパーフェクト・ストームの事態に陥るという。そのような中でユーロドルはパリティ(1.00ドル)を下回る可能性があるとも指摘した。
ポンドドルも1.26ドル台まで買い戻された。ただ、下値警戒感は根強い。一部からは、明日の英中銀金融政策委員会(MPC)の通過後、ポンドは重要なレベルである1.25ドルを下放れる可能性があるとの指摘も出ている。
ここ数日、ポンドドルは何度か1.25ドル割れを試しているが、いまのところすぐに回復。しかし、下放れするのは時間の問題だという。そのきっかけとなるのが本日のFOMCと明日の英MPCで、FOMCはさらなる積極利上げを示唆する可能性が高いほか、明日の英MPCでは、将来の利上げへのタカ派予想が覆され、その場合、ポンドは売りで反応する可能性があるとしている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美