ポンドは明日、二つの大きなイベントリスクを控えている。1つは英消費者物価指数(CPI)を始めとした一連のインフレ指標の発表。そして、もう1つは、スナク英財務相の春の予算案の発表だ。
市場からは、明日のインフレ指標が予想を上回る強い内容となれば、ポンドは上げ幅を拡大する可能性があるとの指摘が出ている。もし、インフレが上昇し続け、賃金が上昇スパイラルに陥るリスクが高まれば、英中銀は再び積極的な利上げを実施する可能性があるという。先週の英中銀金融政策委員会(MPC)ではウクライナ情勢を警戒して、タカ派姿勢を後退させていた。
一方、スナク英財務相が春の予算案を発表。ただ、家計を直撃している生活費の高騰を緩和する画期的な施策を発表する可能性は低いと見られている。低所得層の負担を軽減するためのささやかな対策を発表する可能性はあるが、こうした政策は短期的な経済成長への打撃を僅かに抑えるだけだという。広範な支援策を求める声は多いが、スナク財務相は需要を拡大し、インフレ問題を悪化させることを警戒しているほか、財政赤字削減に取り組んでいるという。現地時間の明日の昼ごろに英下院で発表予定。
英消費者物価指数(2月)16:00
予想 0.6% 前回 -0.1%(前月比)
予想 6.0% 前回 5.5%(前年比)
予想 5.0% 前回 4.4%(コア・前年比)
GBP/USD 1.3249 GBP/JPY 160.00 EUR/GBP 0.8323
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美