ロンドン市場は、ポンド相場が落ち着きを取り戻した。ポンドドルは東京市場で1.06台半ばから1.08台へと上昇。ロンドン市場では1.0838レベルの高値をつけたが、その後は1.0770付近までのレンジ相場が続いている。前日はポンド相場急落を受けて市場に英中銀の緊急利上げ観測が高まったが、きょうは市場の利上げ幅見通しがやや縮小している。11月英中銀会合時点で1.5%利上げが織り込まれている。また、この日は米債利回りが低下しており、10年債は3.90%付近から3.80%台へと低下。ドル売り圧力が優勢になっている。ユーロドルはロンドン早朝に0.9671近辺まで上昇したあとは上値を抑えられ、0.96台割れ目前まで下げた。ロシア産天然ガス供給に再び不透明感が広がったことに反応していた。ただ、大台割れには至らず0.96台前半での揉み合いに落ち着いた。ドル円は144円台後半からじり安の動きとなり、ロンドン朝方には144.06レベルまで下押しされた。その後は144円台前半での揉み合いに。欧州株や米株先物・時間外取引は堅調に推移。原油先物も反発。全般に前日のパニック的な相場展開から落ち着いた印象となっている。ただ、英FT指数が依然として上値重く推移、英緊急利上げ観測は残っており、ポンド相場をめぐる状況は引き続き不透明だ。
ドル円は144円台前半での取引。米債利回りの低下とともに上値重く推移している。東京朝方の144.76レベルを高値に売買交錯しながらも下押しされている。ロンドン序盤には144.06レベルまで安値を広げた。その後は欧州株や米株先物の買い戻しなどを受けて売りは一服。144円台前半で揉み合っている。
ユーロドルは0.96台前半での取引。東京市場ではドル安の動きが優勢で、0.96台前半から後半へと上昇。ロンドン朝方には0.9671レベルの高値をつけた。その後は上値が重くなり0.96台割れ目前まで反落。ロシア産天然ガス供給に再び不透明感が広がったことに反応していた。ただ、大台割れには至らず0.96台前半で落ち着いた。ユーロ円は東京市場で138円台後半から買われ、ロンドン早朝には139.55レベルまで上昇。しかし、ロンドン時間に入ると売りに押されて138.71近辺まで下落。上に往って来いとなった。足元では139円付近に下げ渋り。対ポンドではユーロは小安い。
ポンドドルは1.08付近での取引。東京朝方の1.06台後半から買われて、ロンドン朝方には1.0838レベルの高値をつけた。その後は1.07台後半から1.08台乗せ水準で揉み合っている。ポンド円は東京朝方の154.15近辺を安値に買われロンドン朝方には156.37レベルの高値をつけた。その後は156円を挟んだ揉み合いが続いている。ユーロポンドは0.8950近辺が重く、0.89台割れ水準までじり安となっている。総じて、前日の大荒れ相場からは落ち着いてきている。ただ、市場では引き続き英中銀の緊急利上げの思惑がある。11月の英MPC会合時点で150bp高い水準を見込んでいる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明