ロンドン市場は、ポンド買いの動きが目立っている。前日に英中銀が長期債などの購入額を45億ポンドに拡大し、開始以来の最大規模となったことが背景。市場では14日の終了期限まで、積極的に債券市場の鎮静化が図られるとの観測が広がっているようだ。英30年債利回りは前日に5%をつけたが、今日のロンドン時間には4.52%付近まで大幅に低下した。この動きを好感して1.1050台まで軟化していたポンドドルは1.1164近辺まで高値を伸ばした。ポンド円は162円台前半から163.90近辺まで上昇。ユーロポンドは0.87台後半から0.8710台まで低下。英長期債利回り大幅低下を受けて米10年債利回りは3.93%付近から3.88%台へと低下、ドル相場の重石となっている。ユーロドルは0.9685近辺を安値に一時0.9744近辺まで上昇。豪ドル/ドルは0.6265近辺から0.6299近辺まで上昇。ただ、この後の米消費者物価指数の発表を控えて、ドル安の動きは一服している。ドル円は146.70-90レベルでの揉み合いが続いており、模様眺めとなっている。米消費者物価指数の結果次第では、ドルが急伸し、日銀の円買い介入が誘因される可能性もあり、現時点では身動きが取れない状況。
ドル円は145円台後半での取引。前日の海外市場で146.97近辺まで高値を伸ばした。9月22日の日銀の円買い介入時の高値水準を大幅に上回った。ただ、鈴木財務相が水準よりも相場変動だとしており、相場が急変しないと介入実施には踏み切れないとの思惑を呼んだ。きょうは米消費者物価指数の発表を控えて動きにくい状況。ロンドン時間では146.70-90レベルでの揉み合いに終始している。
ユーロドルは0.97台前半での取引。東京市場では0.97を挟んだ上下動となった。ロンドン序盤には0.9685近辺まで小幅に下げたあと、0.9744近辺に高値を伸ばしている。ポンドドルが大きく買われており、連れ高となった。また、米債利回りが低下しており、調整的なドル売り圧力につながっていた。ユーロ円は142円台前半から143.01近辺まで買われた。一方、対ポンドではユーロは売られている。ポンド相場に追随する動きが中心で、ユーロ独自の値動きはみられていない。
ポンドドルは1.11台半ばでの取引。序盤に1.1058近辺まで小安く推移したあとは買いが強まっている。1.11台乗せから高値を1.1164近辺まで伸ばした。ポンド円も162.50割れ水準から163.90近辺まで上昇。ユーロポンドは0.87台後半から前半へと下げている。ポンド買いの背景には、14日に終了する英中銀による長期債一時購入措置の強化の動きがある。昨日の購入額は総額45億ポンドと開始以来の最大規模となった。終了まで積極的に債券市場の鎮静化を図ることが期待されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明