ロンドン市場は、ドル安の動きが継続。前日から引き続き米債利回りの低下がドル売り圧力となっている。10年債利回りは4.10%付近から一時4.02%台に低下。市場では今後の米利上げペース鈍化観測が広がりつつある状況。また、この日のドル売りは対ポンドが主導している。ポンドドルは1.14台半ばから一時1.16台乗せまで買われた。トラス前英首相の就任時の水準まで戻している。対円や対ユーロでもポンド買いが優勢。スナク英首相の誕生を市場は引き続き歓迎している。前日には英財務相と英中銀総裁が会談し、両者は英経済に対する信頼と安定を回復するために緊密に協力することで合意した。きょうは英政府が中期財政計画とOBR経済予測の発表を11月17日に延期することを発表。中期的な債務削減を示す、政治的に不人気な選択もいとわず、正しい決断のために延期した、などとしている。ユーロドルも連れ高となり、約1カ月ぶりにパリティ水準(1ユーロ=1ドル)を回復した。ドル円は148円台割れから一時146円台後半まで下落した。その後はドル売り一服となっているが、前日よりもドル安の水準は維持している。
ドル円は147円付近での取引。米債利回りの低下とともに上値重く推移している。ロンドン時間にはポンドドルやユーロドルの上昇とともに下げ幅を拡大。148円台割れから一時146.71近辺まで下押しされた。その後は、米債利回りの下げ一服とともにドル円も147円台を回復している。
ユーロドルは1.00台前半での取引。0.99台後半からじり高の動きとなり、1.00台乗せから1.0047近辺まで高値を伸ばした。ただ、対ポンドでは軟調。ポンドドルの上昇につれ高となっている。ユーロ円は147円台半ばを中心に方向性に欠ける揉み合いとなっている。あすのECB理事会の金融政策発表を控えて、ユーロ独自の値動きは封印されていた。市場では75bp利上げがコンセンサスとなっている。
ポンドドルは1.15台後半での取引。1.14台半ばから1.15台乗せ、1.16台乗せから高値を1.1620近辺まで伸ばした。ポンド円は169円台前半でサポートされると一時170.60付近まで上昇。ユーロポンドは0.87ちょうど付近から0.8650割れ水準まで下落。全般にポンド買いとなっている。スナク英首相の誕生が引き続き市場に好感されている。中期財政計画の発表は10月末から11月17日へと延期された。正しい判断をするためとしている。中期的な債務削減を示すと表明。
minkabu PRESS編集部 松木秀明