ウクライナ危機の不透明感は欧州経済への打撃が最も大きい。欧州は他の地域以上に天然ガスへの依存度が高く、ガス価格の高騰は消費者の生活を直撃する。欧州の天然ガスは3月上旬に過去最高値に跳ね上がり、メガワット時(MWHr)330ユーロを超える場面があった。現在は落ち着いているが、それでも100ユーロを超える水準が続いている。
今後、ロシアのエネルギー供給が途絶え、ガス価格が冬までに再び200ユーロまで高騰すれば、その影響は甚大で、ユーロ圏のインフレ率は下半期に10%に近づくとの試算も出ている。景気後退には十分な数字。その場合、ECBも引き締めを簡単にはしづらくなり、ユーロにとっては圧迫要因となりそうだ。
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MINKABU PRESS編集部 野沢卓美