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リスク回避一服でドルに戻り売り強まる ドル円は一時143円台に下落=NY為替概況

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2022-12

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2022-12-01
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リスク回避一服でドルに戻り売り強まる ドル円は一時143円台に下落=NY為替概況
 きょうのNY為替市場はドルの戻り売りが強まり、ドル円も一時143円台に下落した。本日の米株式市場が急反発しており、リスク回避の動きが一服しているほか、米国債利回りも急低下していることから、ドルは戻り売りが強まっている。米10年債はロンドン時間に4%台まで上昇していたものの、NY時間に入って一時3.69%台まで急低下した。

 トラス英首相の大型減税を含む経済対策の発表で英国債とポンドが不安定になっている。英国債は急速に売られ、利回りが急上昇していたが、英中銀がきょう長期の英国債の無制限購入を発表し、ひとまず落ち着いている。それを受け英国債と伴に米国債利回りも急低下した格好。

 本日のドル円は戻り売りに押されたものの、底堅い動きは続いている。ただ、145円台をうかがう動きはあるものの、財務省による為替介入への警戒感もあり、145円より上には慎重なっているようだ。日本の財務省は先週22日の為替介入で3.6兆円相当のドルを売却した可能性が高いとの推計も出ており、市場からは、同様規模の介入を4-10回実行できる可能性があるとの指摘も出ている。ドル高期待は根強いものの、本日のドル円の値動きを見た限りにおいては、ロング勢も再び145円から上の水準を試すのには慎重になっているものと思われる。

 ユーロドルは急速に買い戻しが膨らんだ。ロンドン時間には0.9535ドル付近まで下落し、2002年以来の安値水準を更新していたが、NY時間に入って0.97ドル台半ばまで買い戻される展開。過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは一時30を下回り、売られ過ぎのサインも出ていた。

 ECBの大幅利上げ期待が高まっており、10月の理事会では0.75%ポイントの利上げがコンセンサスになりつつある。加盟国の中銀総裁からも0.75%ポイント利上げを支持する声が複数出ている状況。ただ、冬場にかけての景気後退への不安から、ユーロに強気な見方は少ない。

 一部からは、もし寒い冬となり、再生可能エネルギーが減少し、ロシアからのガス供給が完全停止と仮定した場合、ガス価格は約300ユーロメガワット時までの上昇も予想され、輸入ガスへの支出はGDPの7.1%に増加する可能性があるとしている。その場合、第4四半期と23年第1四半期の冬場の2四半期で成長を2.6%縮小させる可能性があるという。

 ポンドドルは買い戻しが膨らみ、ストップを巻き込んで一時1.09ドル台まで急速に戻す展開。英中銀の発表でひとまずポンドも落ち着いている模様。英中銀は本日のオペで10.25億ポンドの長期債を購入したと発表していた。

 英中銀の発表を受けたポンドの反応は、発表直後こそ買いが強まり急伸したものの、その後、直ぐに売りが強まり、1.0550ドル近辺まで急落していた。英中銀の英国債購入は市場を落ち着かせる行動ではあるものの、同時に量的緩和(QE)拡大にもなる。現行の方向感とは真逆の行動。ただ、NY時間に入ってのドルの戻り売りで、短期のショート筋によるショートカバーが活発に出ている模様。

 ただ、ポンドの下値不安が解消されたわけではない。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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