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リスク回避一服でドル円も買い戻し続く ドル自体は売り優勢 パウエル発言への反応限定的=NY為替概況

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18

2022-05

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2022-05-18
市場予測
リスク回避一服でドル円も買い戻し続く ドル自体は売り優勢 パウエル発言への反応限定的=NY為替概況
 きょうもドル円は買い戻しの流れが続き、129円台での推移している。リスク回避が一服しており、米株式市場も買い戻しが膨らむ中、円安の動きがドル円をサポートした。ただ、ドル自体は戻り売りが優勢。

 ロックダウンを実施していた中国の上海市が6月から企業の生産活動と市民生活を全面的に正常化すると発表したことが好感されている模様。長引く封鎖に上海市民の不満が高まる中、ようやく出口を明確にした格好となった。

 FRBの利上げによる景気後退とインフレが同時に起こるスタグフレーションへの警戒感も強まる中、ドル相場はFRBの積極利上げから、経済の先行き不透明感に焦点がシフトしている。ロックダウンによる中国経済への不透明感もそれに加わっていたが、きょうは懸念が一服。

 ただ、警戒感は根強くドル円も上値が重くなっている状況に変化はない。一時129円台後半まで上昇していたものの、米株の動きをにらみながら、再び129円台前半に伸び悩む展開となっている。130円台の上値抵抗が強まっている印象。

 午後になってパウエルFRB議長のイベントでの発言が伝わった。議長は「経済が想定通りに推移すれば、0.50%利上げを議題に乗せる」と述べたほか、「必要なら中立水準を超える利上げを躊躇しない」とも述べていた。また、「いまにして思えば、もっと早く利上げすべきだった」と、後手に回ったことを暗に認めるような発言も聞かれた。

 FRBの積極利上げの姿勢を追認する内容で、為替市場もドル買いで反応したが、市場はそれを既にだいぶ織り込んでいる節もあり大きな動きには至っていない。

 朝方に4月の米小売売上高が発表になっていたが、高インフレにもかかわらず商品への需要がなお底堅いことを示していた。「物価の変動を考慮するとあまり印象的な数字ではなかったものの、インフレ圧力による家計所得の圧迫が、まだ支出に大きな影響を与えていないことが示唆された」との評価も聞かれた。

 ユーロドルは買い戻しが加速し、ストップを巻き込んで1.05ドル台半ばまで回復。強い上値抵抗が観測されていた1.05ドルを一気に上抜いた格好となった。リスク回避の雰囲気一服の雰囲気の中でECB理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁の発言に市場も敏感に反応したようだ。

 総裁は「7月の理事会での利上げが織り込まれているが、現実的だと思える」と述べたうえで、「0.25%の利上げが現実的だが、大幅利上げを排除すべきではなく、その場合の論理的な次のステップは0.50%となるだろう」とも述べていた。

 金融市場では年内にECBの1.00%の利上げ幅を織り込む動きが見られており、ユーロドルの買い戻しをサポートしている。ただ、市場ではユーロドルの下値警戒感は根強く、きょうの上げは一時的との見方も少なくない。そのような中で、1.05ドルを維持できるか注目される。

 ポンドドルも買い戻しが膨らみ、一時1.25ドル寸前まで上昇する場面が見られた。ただ、1.25ドル台の上値抵抗も根強く、現在は1.24ドル台後半での推移が続いている状況。

 きょうは英雇用統計が発表され、3月までの3ヵ月間の平均失業率は3.7%と47年ぶりの低水準に低下した。賃金の伸びも加速。ただ、高インフレで実質所得が低下する中で英国では消費者の生活危機が叫ばれている。英中銀も利上げに慎重姿勢を滲ませ始めている状況。ただ、市場は次回の金融政策委員会(MPC)での追加利上げ期待は温存させている。市場からはきょうの英雇用統計は英中銀の利上げの必要性を裏付けているとの指摘も多い。

 タカ派な見方では、英中銀は現在の1.00%から来年には3.00%まで利上げを実施するとの一方、慎重な見方では、8月までに1.50%まで上昇させた後は利上げのスピードを緩め、11月に1.75%、来年5月に2.00%までの利上げとの見方も出ているようだ。いずれにしろ、利上げはまだしばらく継続を見込んでいる。

 なお、明日は4月の英消費者物価指数(CPI)が発表され、総合指数は前年比9.1%の上昇が見込まれている。

英ILO失業率(3月)15:00
結果 3.7%
予想 3.8% 前回 3.8%

週平均賃金(賞与除く・3月)15:00
結果 4.2%
予想 4.1% 前回 4.1%(4.0%から修正)(前年比)

英消費者物価指数(4月)18日15:00
予想 2.5% 前回 1.1%(前月比)
予想 9.1% 前回 7.0%(前年比)
予想 6.1% 前回 5.7%(コア・前年比)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

 きょうもドル円は買い戻しの流れが続いており、129円台での推移となっている。リスク回避が一服しており、米株式市場も買い戻しが膨らむ中、円安の動きがドル円をサポートしている。ただ、ドル自体は戻り売りが優勢。

 ロックダウンを実施していた中国の上海市が6月から企業の生産活動と市民生活を全面的に正常化すると発表したことが好感されている模様。長引く封鎖に上海市民の不満が高まる中、ようやく出口を明確にした格好となった。

 FRBの利上げによる景気後退とインフレが同時に起こるスタグフレーションへの警戒感も強まる中、ドル相場はFRBの積極利上げから、経済の先行き不透明感に焦点がシフトしている。ロックダウンによる中国経済への不透明感もそれに加わっていたが、きょうは懸念が一服。

 ただ、警戒感は根強くドル円も上値が重くなっている状況に変化はない。一時129円台後半まで上昇していたものの、米株の動きをにらみながら、再び129円台前半に伸び悩む展開となっている。130円台の上値抵抗が強まっている印象。

 朝方に4月の米小売売上高が発表になっていたが、高インフレにもかかわらず商品への需要がなお底堅いことを示していた。「物価の変動を考慮するとあまり印象的な数字ではなかったものの、インフレ圧力による家計所得の圧迫が、まだ支出に大きな影響を与えていないことが示唆された」との評価も聞かれた。

 本日は日本時間3時頃にパウエルFRB議長がウォールストリート・ジャーナル(WSJ)主催のイベントに出席する。市場は0.75%利上げの可能性は後退させているが、FRBは0.50%の大幅利上げをしばらく継続させるとの見方で織り込んでいる。議長が今後の利上げの道筋をどう考えているのか注目される。

 ユーロドルは買い戻しが加速しており、ストップを巻き込んで1.05ドル台半ばまで回復。強い上値抵抗が観測されていた1.05ドルを一気に上抜いた格好。中国の上海市のロックダウンが解除に向かうとのニュースが流れる中で、きょうの市場はリスク回避の雰囲気を一服させている。その雰囲気の中でECB理事会メンバーのクノット・オランダ中銀総裁の発言に市場も敏感に反応したようだ。

 総裁は「7月の理事会での利上げが織り込まれているが、現実的だと思える」と述べたうえで、「0.25%の利上げが現実的だが、大幅利上げを排除すべきではなく、その場合の論理的な次のステップは0.50%となるだろう」とも述べていた。

 金融市場では年内にECBの1.00%の利上げ幅を織り込む動きが見られており、ユーロドルの買い戻しをサポートしている。ただ、市場ではユーロドルの下値警戒感は根強く、きょうの上げは一時的との見方も少なくない。そのような中で、1.05ドルを維持できるか注目される。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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