ロンドン市場は、リスク警戒の動きで円高・ドル高・ユーロ安となっている。昨日の会合でEUが対ロ制裁措置の強化で合意、ロシア産原油の禁輸措置を表明した。これを受けて原油先物が大幅上昇となっており、特に欧州でインフレ高進が警戒されている。その中で発表された5月ユーロ圏消費者物価速報は前年比8.1%と一段とインフレ率が上昇。先週末の米PCEデフレータの伸び鈍化とは対照的に依然としてインフレにピークアウト感は見られない結果だった。独失業者数の減少ペースも鈍っていた。ユーロは各主要通貨に対して売られている。対ドルは1.07台割れに、対円は137円台割れに、対ポンドでも0.85割れまで一時下押しされている。欧州株では英FT指数がプラス圏で推移しているが、独仏指数はマイナス圏に沈んでいる。序盤は円買いの動きが目立ったが、次第にドル高の動きへと転じている。ポンドドルは1.26台割れへと軟化。ドル円は127.60台まで下落したあと、128円台に戻している。リスク回避の動きのなかで、ユーロ売りが目立っている。
ドル円は128円近辺での取引。東京市場で128.34レベルまで買われたあとは、売りに転じた。ロンドン序盤には127.60台まで下落した。しかし、ロンドン昼にかけては再び買いが盛り返して128円台を回復している。東京市場での安値は127.53レベルで、ロンドン市場ではレンジ内での振幅にとどまっている。
ユーロドルは1.07近辺での取引。東京市場で1.07台後半から前半へと軟化したあと、ロンドン中盤にかけては売りが加速、1.0690付近まで下落している。ユーロ円は137円台後半から前半へと軟化したあと、ユーロドルとともに売りが強まり、136.80台へと下落している。対ポンドでもユーロ売りに押されるなど、ユーロが全面安となっている。対ロ制裁強化、ユーロ圏インフレの高進など欧州経済にとって不透明な状況となっている。
ポンドドルは1.25台後半での取引。東京市場で1.26台半ばから一時1.26台割れまで下落したあとは、1.26台前半での揉み合いが続いた。ロンドン時間に入ってからも売買が交錯したが、足元では1.26台割れから1.2580付近まで安値を広げた。ユーロドルの下落に連れ安となっている。ポンド円は東京市場で161円台後半から前半へと軟化したあと、ロンドン序盤には160.95近辺までもう一押しされた。その後は161円台前半に戻して揉み合っている。ユーロポンドは0.85台前半から0.85台を割り込んでおり、安値を0.8490近辺に広げている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明