ロンドン時間に5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)が発表になっていたが、総合指数は前年比8.1%まで上昇し予想も上回った。ECBの利上げ期待を正当化する内容だが、ECB内では0.25%ポイントずつの緩やかな利上げと大幅利上げとで意見が分かれている。積極引き締めによる景気後退も懸念されているようだ。
きょうはEU首脳がロシア産原油の一部禁輸で合意した。ロシアから海上経由でEU加盟国に輸送される原油および石油製品の購入を禁じる内容。パイプライン輸送の大部分はドイツとポーランド向けだが、両国はEUの決定いかんにかかわらずロシアから供給を受けない方針を示唆している。ドイツは、こうした方針を堅持する決意を書面で示したという。この方針を貫けば、海上経由の禁輸と合わせた効果として、年内にロシアからEUへの原油輸出の9割がカットされることになる。
市場からは、これらの措置はエネルギー価格を上昇させインフレを高めるとともに、リセッション(景気後退)懸念も強める、いわゆるスタグフレーションへの懸念を高める可能性があるとして、短期的にユーロにマイナスとの見方も出ている。
ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(概算値速報)(5月)18:00
結果 8.1%
予想 7.8% 前回 7.5%(前年比)
結果 3.8%
予想 3.6% 前回 3.5%(コア・前年比)
結果 0.8%
予想 0.7% 前回 0.6%(前月比)
EUR/USD 1.0722 EUR/JPY 137.86 EUR/GBP 0.8511
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美