ロンドン市場は、円買い・ドル買いとリスク回避の動き。前日の米FOMCの75bpの大幅利上げに続いて、この日はスイス中銀が予想外の50bpの大幅利上げを発表。欧州株がネガティブ・サプライズで大幅安となっている。続いて発表された英中銀は市場予想通りの25bp利上げ発表。決定の票割れも前回と同様の6対3だった。債券市場では売り圧力が再燃しており、米10年債利回りは3.46%近辺に上昇。前日のECB臨時会合で分断化対策が示されたものの、イタリア債は再び売られている。リスク警戒の動きが広がるなかで、ドル円は134円台半ばから一時132円台前半まで下落。ユーロ円は140円台から一時137円台、ポンド円は163円付近から160円台へと下落している。ポンド相場は英中銀発表後に下げが加速している。一方、スイスフランは利上げ発表で急上昇した。市場全般に不安定な状況が続いている。
ドル円は132円台後半での取引。134円台半ばで上値を抑えられるとロンドン朝方から売りに押されている。スイス中銀の予想外の利上げを受けて欧州株が下落、リスク警戒の円高圧力に押される展開に。前日安値133.51レベルを割り込むと下げが加速し、一時132.33レベルまで下落した。その後の戻りは133円台前半までと限定的。
ユーロドルは1.04台前半での取引。東京朝方の1.0469レベルを高値に軟調に推移している。ロンドン序盤には1.0381レベルまで安値を広げた。その後は売買が交錯して1.04を挟む水準で取引されている。ユーロ円は円買いに押されている。140円付近から137.85レベルまで安値を広げている。対ポンドでのユーロ買いが下支えとなっている。昨日のECB臨時会合では債券市場の分断化対策が示されたが、イタリア債は再び売られており、利回りが上昇している。
ポンドドルは1.21近辺での取引。朝方は売りが先行し、1.21台半ばから1.20台後半へと軟化。しかし、英中銀の政策金利発表を控えて買い戻しが入り、1.2180近辺まで反発。英中銀が25bpの利上げを発表すると予想通りとして再び下落、安値を1.2042レベルまで広げた。ポンド円は163円近辺から売られ始めると161円台割れまで下落。その後162円台を回復も、英中銀発表後に160円ちょうど近辺まで下落と激しい動き。ユーロポンドは0.8550付近まで軟化したあとは0.86台乗せへと反発。全般にポンド売りが優勢。米FOMCの75bp利上げ、スイス中銀の50bp利上げの後で25bp利上げにとどまったことが売りを誘ったようだ。
minkabu PRESS編集部 松木秀明