ロンドン市場は、対ユーロ主導でドル買いが広がっている。序盤は東京市場での流れを受けて豪ドル/ドルの売りが先行。豪中銀は0.50%ポイント利上げを発表したあとは想定内の結果として豪ドルが売られる経緯があった。この動きがユーロやポンドにも波及。欧州債利回りの低下が目立つ中で、欧州株は序盤の上昇を消してマイナス圏に転じた。次第に、欧州経済に対する先行き不透明感が広がっており、市場のECB大幅利上げ観測も後退してきている。ユーロドルは1.04台前半から1.03台に突入するとストップを巻き込みながら1.02台後半まで下落した。2002年12月以来の安値水準となった。市場では1ユーロ=1ドルのパリティーに向けた動きとの声もでていた。リスク回避へとムードが悪化するなかで、円買いの動きもみられ、ユーロ円は142円付近から139.50付近へと大幅下落。ドル円も136円台割れへと連れ安に。ポンドも軟調に推移。ポンドドルは1.21台割れから1.2020付近へ、ポンド円は165円付近から163.20近辺まで下落。英中銀金融安定報告では、世界経済見通しは著しく悪化、インフレは英家計を一段と圧迫するだろう、商品市場は景気動向に極めて脆弱である、暗号資産の急落は市場の脆弱性を露呈したもの、などと指摘した。欧州通貨や豪ドルに対してドルが買われたことで、ドル指数は2002年12月以来の高水準になっている。
ドル円は136円付近での取引。東京市場では136.36レベルまで高値を伸ばし、リスク選好的な動きを示していたが、ロンドン時間に入ると欧州株や米株先物の上値が重くなり、136円台割れから135.56レベルまで安値を広げた。その後はドル全般が買われるなかで136円付近へと下げ渋っている。
ユーロドルは1.03付近での取引。東京市場での1.04台前半の揉み合いを下抜けると、売りが強まった。1.04台割れ、1.03台半ば割れとなるなかでストップ注文を巻き込みながら、1.0281レベルまで急落した。ユーロ円は142円付近から売り一色となり、140円台割れから139.55レベルまで下落した。対ポンドでもユーロ売りが強まっている。足元では下げ一服も、戻りは限定的。欧州経済に対する先行き不透明感が広がっており、ECBの大幅利上げ観測が後退している。欧州債利回りが大幅低下している。
ポンドドルは1.20台前半での取引。ユーロドルに追随する形で1.21台割れから1.2020付近へと下落している。ポンド円は165円挟みで高止まりしていたが、ロンドン時間に入ると売りが強まり、163.20付近に下落している。ユーロポンドは0.8620近辺から一時0.8540付近まで下落。ユーロ売りが優勢だった。英中銀金融安定報告では、世界経済見通しは著しく悪化、インフレは英家計を一段と圧迫、商品市場は景気動向に極めて脆弱など諸リスクが指摘された。
minkabu PRESS編集部 松木秀明