市場では依然としてポンドに弱気な見方が多い。ポンドは5月に0.2%上昇したが、今年のパフォーマンスは主要国通貨の中で3番目に悪い。ポンドが直面する最大のリスクは、市場が英中銀の利上げ期待を過度に織り込んでしまっている点だという。
短期金融市場では年内に2.25%もしくは2.50%までの英政策金利の上昇を織り込んでいる。0.25%ポイントずつであれば、年内すべての英中銀金融政策委員会(MPC)で利上げを行うか、その1回は0.50%ポイントの大幅利上げの予想である。ただ、英中銀はすでに過度な引き締めによるリセッション(景気後退)のリスクを警告しており、景気減速を示す証拠も出つつある状況。企業経営者も2020年10月以降で最も悲観的になっており、5分の1以上の企業が今後1年間に投資を削減する予定だという調査結果も出ている。
投資家はいずれ、利上げ期待を縮小せざるを得なくなり、ポンドに売り圧力が強まるという。ポンドドルは1.20ドル割れの可能性を見込んでいるようだ。
GBP/USD 1.2496 GBP/JPY 163.66 EUR/GBP 0.8574
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美