ロンドン市場は、株安が続くなかで、円買いとドル売りが混在している。前日の米株の急落を受けて、市場にはリスク警戒感が再び高まっている。欧州株が大幅安となっているほか、米株先物・時間外取引も売りが継続。インフレや金融引き締めの動きが企業の先行き見通しに影を落としている。ドル円は東京市場で129円手前まで反発したが、東京午後からロンドン時間にかけては売り圧力が強まっている。128円台割れから安値を127.58レベルまで広げている。クロス円も軟調で、ユーロ円は134円を一時割り込み、ポンド円も158円近辺へと下落した。東京市場での上げを消している。また、株安とともに米債利回りが低下しており、ドル相場全般にドル安圧力が優勢になっている。ユーロドルは1.0460台まで下げたあとは上昇に転じており、1.05台に乗せている。ポンドドルも1.2350割れまで売られた後は、買いが強まり1.24台に乗せている。3月ユーロ圏経常収支は16億ユーロの赤字に転落。独建設業生産高も前月比横ばいと停滞。その一方で、英CBI製造業受注指数は予想外の上昇となり、輸出受注の回復に支えられた。
ドル円は127円台後半での取引。東京市場では128円台割れ水準から128.95レベルまで買われたが、その後は売りに押される展開となっている。ロンドン市場では128円台割れから安値を127.58レベルまで広げている。株安とともに米債利回り低下が、円高とドル安両面からドル円相場を押し下げている。
ユーロドルは1.05台前半での取引。ロンドン序盤まではユーロ円の下落とともに軟調に推移し、1.0460台まで下落した。しかし、米10年債利回りが2.81%台まで低下する動きがドル売り圧力となり、1.05台乗せから1.0530台へと高値を伸ばしている。ユーロ円は135円台を維持できず反落しており、一時134円台割れまで下落した。ただ、足元ではユーロドルが上昇しており、134.50付近まで買い戻しが入っている。対ポンドでは売買交錯も、ややユーロ売りが優勢。
ポンドドルは1.24台前半での取引。ロンドン序盤まではポンド円の下落とともに売られ、1.2340近辺まで下落。東京午前の上昇を消した。しかし、米債利回り低下とともに再び騰勢を強めており、1.24台乗せから1.2438レベルまで上伸。安値からは約100ポイントの上昇となった。ポンド円は159円台後半からは売りに押されており、ロンドン序盤に158円付近まで下押しされた。その後は下げ渋りも159円台回復には至っていない。ユーロポンドは0.8490近辺から0.8460近辺まで一時下落。その後は揉み合いに。
minkabu PRESS編集部 松木秀明