ロンドン市場は、ユーロが売られている。この日発表されたフランス、ドイツ、ユーロ圏の7月PMI速報値が予想以上の落ち込みとなったことで景気先行きへの不透明感が高まったことが背景。特に、ドイツPMIは製造業、非製造業ともに50割れとなった。イタリア債やドイツ債などが買われ、利回りが大幅低下。ユーロ相場が圧迫され、対ドルでは1.02近辺から1.01台前半まで、対円では140円台半ばから139.50割れ水準まで下押しされた。ロシア産エネルギー供給をめぐる不透明感が根強いインフレ圧力となっている。ECB専門家予測では、ユーロ圏のインフレ見通し引き上げ、GDP成長見通し引き下げとなった。カジミール・スロバキア中銀総裁は、9月の利上げ幅は25bpもしくは50bpいずれかとなる公算と述べた。景況感の悪化で次回利上げは25bpにとどまる可能性がでている。欧州株はプラス圏に踏みとどまっているものの、上値を試す勢いには欠けている。NY原油先物は94ドル台へと下落。ポンド相場は対ドルでは1.19台での振幅、対円では165円付近から一時164円台割れと軟調。ドル円は138円手前で上値を抑えられると売りに押されて137円台前半へと軟化している。
ドル円は137円台前半での取引。東京市場では早朝の137.03レベルを安値に午後には137.96レベルまで買われた。しかし、ロンドン時間に入ると一転して売りに押されている。ユーロ円などクロス円の下げとともに137.30台へと反落している。
ユーロドルは1.01台後半での取引。序盤に1.02台に乗せる場面があったが、その後は上値重く推移している。フランス、ドイツ、ユーロ圏の7月PMI速報値が予想以上の落ち込みとなったことが売り圧力となり、1.0130近辺まで下落。東京市場での高値からは約100ポイント下落した。ユーロ円は140円台後半から一気に下落。一時139.40レベルまで安値を広げた。対ポンドでもユーロ売りが優勢。景況感の悪化で次回以降のECB理事会での利上げ幅についても25bpにとどまる可能性がでている。
ポンドドルは1.19台半ばでの取引。朝方に1.1990近辺に買われる場面があったが、東京朝方の高値には届かず。その後はユーロドルの下落とともに1.1917レベルまで下落した。ただ、1.19の大台は維持されており、売買が交錯している。ポンド円は165円台乗せでは売りが強まり、ロンドン時間は軟調な動きに。足元では安値を163.92近辺まで広げている。ユーロポンドは0.8520台から0.8480台まで下落も、その後は0.85台を回復している。7月の英PMI速報値はユーロ圏ほどは低下せず、製造業・非製造業ともに50超の水準を維持した。
minkabu PRESS編集部 松木秀明