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為替相場まとめ10月17日から10月21日の週

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16

2023-03

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2023-03-16
市場予測
為替相場まとめ10月17日から10月21日の週
 17日からの週は、ドル円が節目の150円をつけた。米債利回りの上昇とともに、基調としてのドル高の流れが継続。市場では年内あと2回の米FOMC会合で、それぞれ75bpずつの利上げを織り込んでいる。米長期債利回りが上昇、年初来の高水準を伸ばした。一方で、日銀の緩和継続姿勢は揺るぎない状況。日米金利差拡大観測が根強いドル高・円安の流れを形成した。さらに週末には151円台に乗せ、9月22日の明確な円買い介入からほぼ1カ月で11円程度の円安進行となった。週前半には覆面介入がうわさされる動きもあったが、流れに変化はみられず。しかし、週末金曜日のNY市場では152円手前から146円台へと急反落。正式な確認は取れないものの円買い介入との報道がかけめぐった。ポンド関連では、週明けにハント英新財務相が、ほとんどの減税策を撤回したことが市場に安心感を与えた。さらに、20日にはトラス首相が辞任した。一連の経済政策が市場の混乱を招いたことに対する引責辞任。ポンド相場は一時、買いの反応を示したが、すぐに収束している。今後の政治情勢については引き続き不透明だが、財源無き大幅減税計画による混乱した相場展開はひとまず一段落した。ただ、来週のECB理事会では75bpの大幅利上げが想定されており、ポンドは対ユーロでの売り圧力に押されている。

(17日)
 東京市場は、小幅の値動き。ドル円は先週末に148.86レベルまで買われた。週明け早朝のオセアニア市場では148円半ば割れへと下押しが入ったが、すぐに買い戻されてじり高に。午後には148.80付近へと上昇。介入警戒感も下値がしっかりとしていた。ユーロ円も145円台乗せと底堅い動き。ユーロドルは0.97台前半からじり高となり、午後には0.9750超えへと上昇。値幅は限定的だった。ポンドドルは1.12台前半での揉み合いから午後には1.13手前まで上昇。この後のハント新財務相が中期財政計画について本日声明を発表する。同件についての期待感がポンド買いに。トラス首相が週末に消費税減税について2024年までの延期を発表したことがポンド買いを誘った面も指摘された。先週末に大幅下落となった米株は、週明けの時間外取引で反発している。

 ロンドン市場は、ポンド相場が神経質に振幅。この日、ハント英財務相が中期財政計画について声明を発表すると報じられたことが市場の注目を集めた。事前に所得税の1ポイント引き下げを2024年まで延期するとの報道が流れていたが、ハント財務相の発表内容はより減税措置の撤回を鮮明なものとした。所得税減税については無期限に撤回とされた。その他、大方の措置をUターンさせており、節約効果は320億ポンドと発表されている。これを受けて1.12台で神経質な上下動を繰り返していたポンドドルは一時1.1331近辺まで買われた。英長期債利回りが大幅低下、欧州株、米株先物ともに上昇と市場は歓迎ムード。ただ、ポンド買いの動きはすぐに一巡、ポンドドルが1.12台に反落する動きが全般的なドル買いの動きにつながった。特に上昇の機会をうかがっていたドル円が買われ、高値を148.89レベルまで伸ばしている。先週末の高値を上回り32円ぶりの高値水準に。ユーロドルはポンドドルにつれた動きにとどまっており、0.97台半ばを軸とした振幅。クロス円は株高の動きを受けて底堅く推移。ポンド円は一時168円台乗せ、ユーロ円は145円台乗せに。

 NY市場はドル売りが優勢。リスク回避の動きが一服したことが背景。ハント英新財務相が前財務相が示した減税計画を撤回する一と発表。今回の方向転換で合計320億ポンドが節約でき、市場には安ど感が広がった。ポンドドルは買い戻しが続いて、一時1.14台乗せ。ポンド円も170円台まで急上昇した。ポンド円は年初来高値を更新している。ユーロドルにも買い戻しが膨らみ、0.98台半ばまで一時回復した。全般にドル売りが優勢となるなかで、ドル円には戻り売りが強まる気配はみられず。上値追いが続いて一時149円台に上昇、1990年以来の高値を更新した。クロス円の上昇がドル円をサポートした面もあった。FRBのみならず、ECBや英中銀も大幅利上げ観測が強まる一方、日銀に動く気配はなく、金融格差拡大観測が円売りをサポートしている状況に変化はない。
 
(18日)
 東京市場は、揉み合い商状。ドル円は朝方に149円台をつけたあとは、介入警戒感などが上値を抑えて、午前中は調整の動き。押し目は148.70割れまでと限定的。午後にかけては148円台後半での推移が続いた。ポンドドルはハント英財務相の大規模減税の撤回を受けて前日は1.14台を回復。その後調整に1.13台半ばで東京市場を迎えた。午前は調整売りに押されて1.1330台まで軟化。午後に入って英紙FTが英中銀が31日に開始を延期していた量的緩和の後退(資産売却)について、再延期すると報じたことでポンド買いが強まり1.14台を一時回復。その後、再び1.1350台と振幅した。ポンド円は168円台後半から170円手前までの上下動。ユーロドルは0.9820台から0.9860台まで小幅に上昇、ユーロ円も146円台前半から後半へ買われた。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。ドル円はロンドン序盤には149円台乗せから一時149.29近辺まで上伸。1990年8月以来、32年ぶりの高値水準をつけた。しかし、その直後に一気に148.20付近まで急落。その後すぐに値を戻し、再び149円台に乗せている。先週の米CPI後の急変動と似た値動き。介入の思惑を呼ぶ動きとなっていた。米債利回りが上昇しており、全般的にドル高の動きを下支えしている。東京午後には英FTが英中銀がQTを再延期すると報じた。ポンド買いの動きが広がり、対ドルで1.14台乗せ。その後、ロンドン時間にかけては上昇一服し、上値重く推移。英中銀が英FTの記事を不正確だとして否定すると、売りが強まり1.13台割れから1.1250台へと下押しされている。ユーロドルはロンドン朝方に0.9874近辺まで買われたあとは、上値が重くなり、ポンドドルとともに下げて0.9810付近に下押しされている。ポンドは対円や、対ユーロでも軟調に推移しており、前日のハント英財務相の大型減税の撤回を受けたポンド買いは続かず。一方、欧州株、米株先物は続伸しており、全般的なリスク警戒の動きは後退している。

 NY市場では、ドル円が堅調。リスク回避ムードが一服するとともに、米債利回りが上昇に転じており、ドル円を下支え。一時149.40付近まで高値を伸ばした。きょうもロンドン市場で短時間に急速に1円以上急落する場面が見られていた。先週の米消費者物価指数(CPI)発表後にも似たような動きがあったが、直後に戻している。日銀の当座預金残高が減少しており、市場では財務省の覆面介入も取り沙汰されている。しかし、単独介入ではやはり勢いが限られることから、介入をしても下値ではファンド勢が待ち構えているとの指摘も。ユーロドルは0.98台半ばを中心に方向感のない上下動に終始。ポンドドルはNY時間に入ってからは下げ渋り。1.12台後半から1.13台前半での取引に落ち着いた。英政府が大半の減税計画を撤回したことで、安心感からポンドは買い戻しが膨らんだが、減税撤回で今度は英国の弱いファンダメンタルズがポンドのさらなる上昇余地を制限するはずだとの指摘もでていた。

(19日)
 東京市場は、揉み合い商状。ドル円は149円台前半での狭いレンジ取引が続いた。149.11レベルを安値に前日からのドル高・円安水準を維持している。介入警戒感はかなり強く、昨日NY市場でつけた149.38レベルに高値を試す勢いには欠けた。ユーロドルは0.98台での推移が続いた。昨日の海外市場でも0.98台での方向感の見えない振幅。ユーロ円は朝方に147.26近辺まで上昇した後、じりじりと値を落とした。ポンド相場は午後3時発表の英物価統計が注目材料。英消費者物価指数前年比は+10.0%予想に対して+10.1%と7月に並ぶ直近で最も高い水準に。発表までは様子ムードが強かったポンドドルは1.13台前半を中心とした推移。発表後は1.13割れへと軟化した。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米債利回りの上昇が下支え。米10年債利回りは一時4.10%近くまで上昇。ドル指数は21日線超えへと上昇。ポンドドルの下げがドル買いを先導。9月英消費者物価指数が前年比+10.1%に再び上昇、根強いインフレ圧力が英経済に悪影響となることがポンド売りを誘ったもよう。ポンドドルは1.13台割れから1.1230近辺まで安値を広げている。ポンドドルに追随した動きのユーロドルもロンドン昼に向けて下げ足を速めた。0.98台割れとなると安値を0.9760近辺に広げている。ユーロ圏の9月消費者物価指数・確報値も前年比+9.9%の高インフレ。ドル円は149円台前半でじり高の動きを示していたが、欧州通貨の下落とともに取引中盤には149.50を上回ると149.72近辺に高値を伸ばしている。32年ぶり高値水準を更新するとともに、150円を視野に入れている。ただ、日銀の円買い介入への警戒感もあって上昇の勢いはやや慎重。ユーロ円やポンド円は軟調に推移している。ドル円相場は新たな材料に欠けるなかで、淡々と水準を上げる展開になっている。

 NY市場では、ドル円がじり高の動き。150円の節目に接近、介入警戒感は強いものの、底堅い値動きが続いている。市場では財務省による為替介入はドル円の水準よりもむしろ、上昇スピードに左右されるとの指摘が出ている。前回の介入を考慮しても、円のレベルそのものではないという。このところのドル円は上昇は続いているものの、スピードは以前よりはゆっくりとしたアプローチが見られている。それが狙いだという。FRBがタカ派姿勢を緩めない限り、ドル高は続き、直近の下落は一時的と見られている。FRBのタカ派姿勢は2023年まで続き、11月FOMCでの利上げも0.75ポイントが確実視されている。ユーロドルは0.97台に軟化。市場ではECBへの見方に違いが出ている。一部からは、ECBは10月理事会で0.75%ポイントの利上げ後、12月に利上げを一時停止する可能性があるとの見方も。一方、ECBは10月に0.75%ポイントの利上げを実施し、2023年半ばまで利上げを継続するとの見方は根強い。ポンドドルは戻り売りに押されて一時1.11台まで下落。トラス英首相が、ブレーバーマン英内相を国家安全保障巡る違反で解任した。トラス首相にさらなるプレッシャーを与えることは必至に。

(20日)
 東京市場で、ドル円は高値圏で揉み合い。150円手前の売りが上値を抑えるものの、下値はしっかり。NY市場で149.90前後を付けた後、東京朝にかけていったん調整も149.70台まで。東京勢の本格参加で149.90台に乗せるも、その後はレンジ取引が続いた。ユーロドルはドル高圧力が重石となり、昼過ぎまでは軟調で0.9750台を付けたが、その後反発した。中国が新型コロナでの入国者管理期間を短縮との報道にユーロ買いで反応していた。ポンドドルは1.12割れから1.1230台に上昇。ドル人民元は7.2430前後から7.2230前後までの急落。その後戻して7.23台前半推移に。

 ロンドン市場では、ドル円が一時150円台をつけた。午前に一時150円の大台を付ける場面が見られた。1990年8月以来の高値圏。米債利回りの上昇などからロンドン時間に入ってドル高が強まり、150円を瞬間付けてすぐに149.60台まで下落。その後150円台にすぐに切り返して150.08レベルまで上昇し、またすぐに149円後半へ落とすなど、相当に荒っぽい動きを見せた。150円ちょうど前後でのオプション取引に絡んだ注文が多かったとみられており、不安定な動きに寄与。ユーロドルは0.97台後半の推移が続いた後、ポンドドルでのポンド買いなどに0.98台を回復。ポンドドルは1.1220を挟んでの推移から、一時1.1170近くまで値を落とした後、一転してポンド買いに。英政府が会見を開くとの報道に、トラス首相が退任するとの見通しが強まり、ポンド買いが広がった。減税政策に絡んだ混乱もあって、トラス政権が続いた場合、ポンドは不安定な動きが続くのではと見られていた。その後トラス首相は実際に辞意を表明し、ポンドドルは1.13台を付けている。

 NY市場では、ドル買いが優勢。ドル円は一時150.30近辺まで上値を伸ばした。序盤は株高・ドル売りの動きが先行したものの、米株が伸び悩んだことで、後半にドル買いの動きが復活した。財務省による介入への警戒感も強くある中で、149円台半ばまで下落する場面も見られていたが、買い戻しが強まり、150円を突破している。財務省の方針はあくまで急激な変動には対応するという姿勢で、ドル円を押し下げようという意図はない。それが米国とのお約束でもあろう。そのような中で、タカ派なFRBと慎重な日銀との格差拡大を材料に、もう一段の上げを期待した買い意欲は強い。ユーロドルも伸び悩んだものの、序盤は買い戻しが優勢となって一時0.9840台まで上昇。ただ、取引後半には再び0.98台を割り込んだ。ポンドドルも一時1.13台まで上昇する場面が見られたものの、後半になると戻り売りが強まり、1.12ドルちょうど付近まで下落。きょうはトラス首相の辞任が発表された。経済対策にまつわる混乱の責任を取った格好。一部報道ではジョンソン前首相が立候補を表明すると伝わっていた。

(21日)
 東京市場では、ドル円が150円台でしっかりとした動き。昨日の東京夕方に150円台を付けた後、少し調整されるも、NY市場では150.29レベルまで上値を伸ばしていた。東京市場に入ってからも150円台は維持されており、米債利回りの上昇とともに150.43近辺までじり高の動きを示している。米10年債利回りは4.22%付近から4.26%台へと上昇、年初来の最高水準を伸ばしている。その他通貨でもドル高が目立ち、ユーロドルが0.9780台から0.9760台へ、豪ドルドルが0.6280台から0.6250台へなどの動きが見られた。もっとも値幅は全般に限定的。ドル円の上昇の勢いもあり、ユーロ円が147円台を付けるなど、クロス円はしっかり。

 ロンドン市場は、ドルが全面高となっている。米10年債利回りが4.24%付近から4.29%近くまで上昇する動きがドル買いを誘引している。背景には根強い高インフレを抑制するために、年内あと2回の米FOMC会合でそれぞれ75bpの大幅利上げ観測が広がっていることが指摘される。ロンドン序盤はポンドドルの下げが主導。トラス英首相の辞任のあと、次期首相選出のための保守党党首選が急がれている。ただ、不祥事で辞任したばかりのジョンソン元首相や党首選に敗北したばかりのスナク元財務相が主力候補となっており、今後の不透明感は拭えない。来週のECB理事会で75bpの大幅利上げが想定されていることも対ユーロでのポンド売りとなって加わっている。その後はユーロドルも追随して軟化している。ドル円は150.50を上回るといったん151円手前で売買が交錯したが、ひとたび151円台に乗せると騰勢を強めて151.59近辺へと上昇。1990年7月以来の高値水準を更新している。クロス円は欧州通貨主導で売りが先行したが、ドル円の151円台乗せからは買戻しが入っており、円安相場の様相を呈している。ユーロ円は147円台後半に高値を伸ばす動き。通貨ごとにスピード感が錯綜しているが、着実にドルは買われている。

 NY市場でドル円は急落。本日のドル円は152円手前まで上値追いを加速させていたが、NY時間に入って146円台まで5円以上急落する場面が見られた。財務省が為替介入を実施した可能性が高そうだが、一部報道では「政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入」と伝えていた。一方、神田財務官は「為替介入の有無についてはコメントしかねる」と述べていた。

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