今週の為替市場はドル売りが強まった。月末要因もありドル円は見切り売りが加速し、一時132円台半ばまで下落している。下記の確率も上値期待を大きく後退させ、下値期待を強めている。140円に到達する前に130円に到達する確率が一気に高まった。8月末までに130円に到達する確率は49.5%まで上昇。9月末までであれば、63.2%まで高まっている。
FOMCおよびその後のパウエル議長の会見、そして、第2四半期の米GDPが予想外のマイナス成長だったことがドル売りのきっかけとなったようだ。FOMCは全体的に、なおタカ派色が強い内容で、少なくともハト派色が強まった印象はない。しかし、市場のドルロングがかなり積み上がっているためか、市場は夏休みシーズンに入り、これまでのポジション調整の機会をうかがっていたのかもしれない。
FOMCの中身はともかく、「FOMCを機にドルロングの調整が出た」といった印象だ。
しかし、ドル売りの動きは一時的なものに過ぎず、あくまで調整の範囲で、ガス供給問題を抱えたユーロの脆弱さや、今後世界的なリセッション(景気後退)への警戒感が強まる可能性を考慮すれば、早晩、安全資産であるドルへの資金流入が再び促進されるとの見方は根強い。
今週の下げは行き過ぎのように見え、ドル円の押し目買いを推奨する声も出ていた。今後2週間で138円まで戻す可能性があるという。FRBが軸足を成長へシフトすることを期待するのは時期尚早で、米政策金利の誘導目標は3.50%-3.75%の水準まで上昇する可能性はなお十分にあり、ドル円の上値追いを今後もサポートするとしている。
◆来週以降8月31日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
140円:13.1%(39.8%)
139円:19.3%(52.6%)
週末終値:133.27円(136.12円)
131円:64.0%(31.0%)
130円:49.5%(22.1%)
129円:36.7%(15.1%)
128円:26.0%( 9.8%)
◆来週以降9月30日までに各ポイントを1度でも付ける確率
()は先週末
141円:19.0%(41.5%)
140円:25.0%(51.1%)
139円:32.2%(62.1%)
週末終値:133.27円(136.12円)
131円:74.4%(46.5%)
130円:63.2%(37.6%)
129円:52.5%(29.8%)
128円:42.7%(23.1%)
※ドル円のオプション取引から算出
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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次回は8月13日(土)午前の配信を予定しています。
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