ロンドン市場は、調整を交えながらも根強いドル買いの動きがみられている。序盤はドル売りが先行。東京市場でのドル高の流れは一服し、調整が入っている。しかし、米債利回りが上昇し続けるなかで次第にドル買い圧力が回帰している。米10年債利回りは3.40%付近からロンドン午前には3.45%台へと上昇している。人民元が対ドルで2年ぶりの安値水準に下落したことがドル買いを波及させた面もあったようだ。ドル円はロンドン朝方に143.80レベルと今日の安値から1円幅の上昇となった。その後は調整に押されて143.20付近まで反落も、再び143円台半ばへと買われた。しかし、前日の日本政府の円安けん制発言や日銀レートチェックの残像もあって売買は交錯。ユーロドルは0.9956レベルまで下押しされたあと、ロンドン市場では1.0000のパリティ水準まで反発した。ただ、その後はドル買いに押されて0.99台後半に戻している。ポンドドルは上値重く推移。朝方には1.1540付近まで買い戻しが入ったが、その後は対ユーロでの売りも加わって1.1488近辺まで安値を広げた。オフショア人民元は節目の1ドル=7.00人民元を上抜けており、約2年ぶりのドル高・元安水準となっている。
ドル円は143円台前半での取引。東京朝方につけた142.80レベルを安値にロンドン朝方まで買われ続け、高値を143.80レベルまで伸ばした。ロンドン勢が本格的に参加すると買いは一服して143.20付近まで調整売りが入った。ただ、米債利回りは上昇を続けており、根強いドル高の圧力に再び143.50台に乗せる動きを見せている。しかし、前日の日本政府の円安けん制発言や日銀レートチェックの残像もあって売買は交錯している。
ユーロドルは0.99台後半での取引。東京市場で0.99台半ばで底這い状態となったあと、ロンドン朝方には0.9956レベルまで一段と売られた。しかし、その後は買いに転じると一時1.0000のパリティ水準まで反発。その後は米債利回り上昇や人民元の下落の影響などで0.99台後半へと押し戻されている。ユーロ円は朝方に143.46レベルまで高値を伸ばしたあとは、143円ちょうど付近まで反落している。対ポンドではユーロ買いが優勢で、ユーロ全般の下げを限定的なものとしている。マクルーフ・アイルランド中銀総裁、デギンドスECB副総裁はいずれもインフレ抑制に向けた利上げなど断固とした措置が必要と述べていた。
ポンドドルは1.15付近での取引。朝方に1.1530台まで小反発したあとは上値重く推移している。安値を1.1488レベルまで広げる場面があった。ポンド円は165.70台まで買われたロンドン市場を迎えたが、その後は売りに押されて164.80付近と東京午前の安値に顔合わせした。ユーロポンドは0.8640付近から0.8680付近へと上昇。ポンド売りが優勢だった。 英中銀が四半期ごとに発表しているインフレ態度調査によると、今後12カ月のインフレ予想は4.9%と前回5月調査の4.6%から一段と上昇した。5年後予想は3.1%と英中銀目標を長期的に上回るとの見方が示されていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明