きょうからFOMCが始まり、明日の午後に結果が発表されるが、その内容を見極めたい雰囲気も強い。FRBは再び大幅な利上げを実施し、これまでのタカ派姿勢をさらに強調する可能性が指摘されている。利上げ幅は0.75%ポイントが有力視されているが、先日の米消費者物価指数(CPI)を受け、一部からは1.00%ポイントの可能性も捨てきれないとの見方も出ている。ただ、可能性としては低いと見られているようだ。
注目はパウエルFRB議長の会見とFOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)とも言われている。市場ではFRBは年末までに政策金利を4.00-4.25%まで引き上げるのではとの見方が出ている。その意味でもドット・プロットがその見方を裏付けるか注目される。
しかし、タカ派なFRBを市場はかなり織り込んでいることもあり、ドル高の反応は限定的になる可能性も指摘されている。ただ、FRBの政策更新は、積極的な利上げを行う他の中央銀行の政策行動によってより相殺されているが、ドルの支持は持続するはずだという。
ユーロドルは再びパリティ(1.00ドル)を割り込んでいる。本日は1.00ドル台半ばまで一時上昇していたが、上値は依然として重いようだ。
きょうはドイツの8月の生産者物価(PPI)が発表され、エネルギー価格急騰により、前年比45.8%の上昇となり、1949年の統計開始以来の過去最高となった。一方、これとは対照的に他の財の価格基調は弱まり続けており、今回の報告は複雑なメッセージを含んでいるという。中間財価格のモメンタム低下は、消費者物価のインフレが今後数カ月でピークに達すると考える根拠を与える一方で、最近のエネルギー価格高騰は、かなりの不確実性があることも示しており、消費者物価は今後数カ月の間に更に記録的な水準に上昇するリスクも内在されているという。
ドイツ生産者物価指数(8月)15:00
結果 7.9%
予想 1.7% 前回 5.3%(前月比)
結果 45.8%
予想 36.4% 前回 37.2%(前年比)
ポンドドルは1.13ドル台に下落。目先は直近安値の1.1350ドルが下値メドとして意識される。ポンドはトラス政権が計画している財政緩和策と英中銀の金融政策引き締めの恩恵を受けそうにないとの見方が出ている。英中銀は今週の政策委員会(MPC)でさらに0.50%ポイントの利上げを行う可能性が高い。また、クワーテング英財務相が金曜日にエネルギー支援策と減税の詳細を提示する予定。
通常、財政緩和策と金融政策の引き締めはポンドをサポートするが、外国人投資家を中心に財政支援策の財源がどのように調達されるかを懸念しており、ポンドのサポートにはならない可能性も指摘されている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美