【これからの見通し】週末の米雇用統計を控えて、ドル高の動き続く きょうはどうか
今週はドルが買い戻されている。
米利上げ停止観測、早期利下げ開始観測などが広がるなかでドル相場は11月に鮮明な下降トレンドを示した。米金融当局者らは、まだインフレ目標を達成していない状況での市場の利下げ開始織り込みに牽制球を投げている。先週末のブラックアウト入りを目前にしたタイミングで、パウエル議長は従来からのタカ派姿勢を堅持していた。しかし、市場は「金利は抑制的水準に深く入ってきている」との議長発言にドル売り反応を示す場面があった。根強いドル売り圧力が示される相場展開となっていた。
ただ、今週はさすがに金曜日の米雇用統計の注目イベントを控えているとあって、ドル安に対するポジション調整からドルが買い戻される展開が続いている。
きょうは米ADP雇用統計(11月)、米非農業部門労働生産性・確報値及び単位労働費用(第3四半期)、米貿易統計(10月)などが発表される予定。昨日はJOLTS求人件数が873.3万件と市場予想930万件を大幅に下回ったが、市場はドル売りに傾かなかった経緯がある。足元では、ドル安調整の圧力が勝っているようだ。きょうの米指標に対するドル相場の反応で、ポジション調整に進行度合いが推し量れそうだがどうか。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、上記の米国関連のほかにもドイツ製造業新規受注(10月)、ユーロ圏小売売上高(10月)、カナダ国際商品貿易(10月)、カナダ中銀政策金利(12月)、カナダIvey購買担当者景況感指数(11月)などが予定されている。
発言イベント関連では、ベイリー英中銀総裁が英中銀金融安定報告について会見を行う。米週間石油在庫統計が発表される。米欧の中銀関係者の発言予定はみられず。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
みんかぶ(FX)