【来週の注目材料】前回は大きく鈍化の米CPI、今回は小幅鈍化見込み
来週は米、英、ユーロ圏の中銀会合が予定されており、市場の注目を集めています。中銀会合以外での注目としては、12日に発表される11月の米消費者物価指数があります。前月比は前回に続いての横ばい、前年比は前回の+3.2%から+3.1%に鈍化見込みです。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比が前回の+0.2%から+0.3%に上昇、前年比は前回と同水準の+4.0%が見込まれています。
前回は9月の前年比+3.7%から+3.2%へ伸びが大きく鈍化しました。その背景にはガソリン価格を中心としたエネルギー価格の下落がありました。10月から11月にかけても米国でガソリン価格が低下しており、EIA調査による全米全種平均のガソリン価格は9月から10月の-5.45%に対して、10月から11月は-8.00%となっています。ただ、昨年の10月から11月にかけてガソリン価格が低下しており、ベース効果(比較対象元の水準の変化による見かけ上の変化、10月時点に比べて低い水準からの比較になることで、前年比では下がっていないように見える)によって影響が抑えられそうです。エネルギー価格以外でも昨年10月から11月にかけては物価の伸びが鈍化しており、今回のCPI前年比を押し上げる効果があります。
また、9月から10月にかけての全米自動車労組のストライキを受けた供給不足懸念からの自動車関連価格の持ち直しなども考慮すると、市場予想が示すコア前月比での小幅ながら伸び拡大や前年比での前回並みの伸びという水準は納得のいくところです。
ただある程度のブレがある指標であること、0.1%程度のブレであっても相場を動かす場合があることなどから、警戒感が必要となりそうです。
MINKABU PRESS 山岡和雅
みんかぶ(FX)