週明け11日の香港市場は強弱の材料が交錯するなか、もみ合う展開か。中国の景気減速への懸念が引き続き重しとなりそうだ。前週末に中国の国家統計局が発表した2023年11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.5%下落し、市場予想(0.1%下落)よりも下振れした。2カ月連続の前年同月割れとなり、下落幅は前月(0.2%)から拡大した。生産者物価指数(工業製品出荷価格:PPI)も3.0%下落と予想(2.8下落)を下振れし、下落幅は前月に比べ0.4ポイント拡大した。
一方、中国本土で翌年の経済運営の基本方針を決める中国の中央経済工作会議が近く開催されるとみられ、政策期待が相場を支えるだろう。中央経済工作会議は毎年12月に開かれるが、その「準備会議」とされている中央政治局会議が8日に開かれた。その内容を踏まえ、24年も「積極的な」政策基調が継続するとの見方が広がっている。
前週末8日のNYは市場でダウ平均は130米ドルと続伸し、22年1月以来およそ1年11カ月ぶり高値を更新。注目された米11月雇用統計がやや強い結果となったものの、米12月ミシガン大期待インフレ率速報値が前月から低下したことで適温相場の持続期待が高まった。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も続伸した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、主力株ではHSBC(00005)が香港終値を上回った半面、AIAグループ(01299)や、テンセント(00700)、アリババ集団(09988)が下回って引けた。
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