21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は142.05円まで売られた。7-9月期米国内総生産(GDP)確定値の下方修正や米長期金利の低下を受けた動き。ユーロドルは1.1013ドルまで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、まずは日本の11月インフレ率を見極めたい。その後は、米10年債利回りが3.8%台まで低下していることで、200日移動平均線(142.77円)が上値を抑える展開が予想される。
8時30分に発表される日本の11月コア消費者物価指数(CPI)は前年比+2.5%と予想されており、10月+2.9%から減速が見込まれている。日銀が注視しているコアコアCPI(生鮮食品およびエネルギーを除く)は前年比+3.8%と10月+4.0%を下回るとの予想だ。
予想通りに伸び率が鈍化傾向を続けていた場合、日銀のマイナス金利解除の時期が来年3月以降となる可能性が高まることになる。
しかし、内閣府が21日公表した政府経済見通しによると、2024年度の消費者物価指数(総合CPI)は、日本銀行が掲げる物価目標の+2%を上回る+2.5%へと上方修正された。政府による前向きな試算は、賃金と物価の好循環実現を目指す日銀による大規模緩和政策の正常化を後押しする材料になることが期待されている。
ドル円は、19日の日銀金融政策決定会合での大規模金融緩和の継続を受けて、142円台から200日線(※142.62円)や日足一目均衡表・転換線を上抜けて144.96円まで上昇。しかしながらその後、米長期金利の低下を背景に上値が重くなり、転換線や200日線(※142.71円)を下抜けて142円台前半まで反落した。
ドル円のテクニカル分析では売りシグナルが点灯しており、下値目標値は「斜行三角形」の目標値である137.25円となる。
今夜発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している11月米PCEデフレーターは、前年比+2.8%と予想されており、10月+3.0%からの伸び率鈍化が見込まれている。また、昨日発表された米7-9月期のPCEコア価格指数は前期比年率+2.0%となり、2020年10-12月期以来の低い伸びにとどまった。
米国のインフレ率がFRBのインフレ目標である+2.0%に収束しつつあることで、「フェドウオッチ」が示唆している来年3月のFOMCでの0.25%の利下げ開始が現実味を帯び始めてきた。米10年債利回りは3.8%台へ低下し、ドル売り要因となっている。
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