3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが4%台まで上昇し、昨年12月のFOMC議事要旨「景気抑制的な政策スタンスを当面維持することが適切との見解で一致」やバーキン米リッチモンド連銀総裁の発言「追加利上げの可能性は依然として選択肢にある」などで143.73円まで上昇した。ユーロドルは1.0893ドルまで下落。ユーロ円は156.79円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米の金融政策への思惑から底堅い展開が予想される中、1日に発生した令和6年能登半島地震を受けた東京株式市場の動向や日銀関係筋からのマイナス金利解除に関する発言を見極めることになる。
今年3-4月の日銀金融政策決定会合でマイナス金利解除が予想されていたが、能登半島地震により早期の解除は困難になったのではないかとの見方が強まりつつあり、円売り要因となっている。
また、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率がやや低下したことがドル買い要因となっている。
昨年12月12-13日分のFOMC議事要旨では「景気抑制的な政策スタンスを当面維持することが適切との見解で一致。金利は想定より長くピーク水準で維持される可能性がある」とのややタカ派な見解が示されたことで、米10年債利回りは一時4%台を回復した。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、3月のFOMCでの0.25%の利下げ確率は65%程度まで低下し、据え置き確率は29%程度まで上昇している。
ドル円は、日本勢が不在の2日のシドニー市場で、能登半島地震を受けた思惑的な円の買い仕掛けで140.82円まで下落後、日銀の早期マイナス金利の解除が困難になったのではないかとの思惑から円売りが優勢となり、昨日は200日移動平均線が位置する143円台まで戻している。
日本での大震災に対する円相場は、1995年1月の阪神淡路大震災と2011年3月の東日本大震災の後は、リスク回避の円高となっている。
円高の要因としては、復興資金や保険金の手当てのための海外資産の売却・円買いという「レパトリエーション」や海外投機筋によるリスク回避としての「円・キャリートレード」の手仕舞いが挙げられる。
しかしながら、2日と3日のドル円の底堅さの背景としては、生産活動の落ち込みや政府による復旧対策の補正予算編成などで、1月22-23日の日銀金融政策決定会合での早期マイナス金利解除が困難となり、3-4月時点でも金融政策正常化のハードルが高くなったとの見方が強まりつつあることが指摘されている。
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