4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、12月ADP全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことで、米長期金利の上昇とともに144.85円まで上昇した。ユーロドルは、欧州市場でユーロ圏12月サービス部門PMI改定値が予想を上回ったことで1.0972ドルまで上昇した後、良好な米雇用関連指標を受けた米長期金利の上昇で1.0933ドル付近まで反落した。ユーロ円はユーロ圏12月サービス部門PMI改定値や日銀の早期政策修正観測の後退を受けて158.59円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今夜発表される米12月雇用統計を控えて動きづらい展開が予想される。
植田日銀総裁は、昨日の全国銀行協会の新年の集いでの挨拶で、能登半島地震について言及し、「金融機能の維持および、資金決済の円滑を確保するため、銀行界と協力して、万全の措置を講じていく」と述べた。
市場では、能登半島地震による生産活動の落ち込みや政府による復旧対策の補正予算編成などで、1月22-23日の日銀金融政策決定会合での早期マイナス金利解除が困難となり、3-4月会合でも金融政策正常化のハードルが高くなったとの見方が強まりつつある。
金利スワップ市場での利上げ確率は、1月22-23日の日銀金融政策決定会合では10%を割り込み、3月18-19日会合は20%台へ低下している。
今夜発表される米12月雇用統計の予想は、失業率が3.8%と11月の3.7%から上昇、非農業部門雇用者数は前月比+17.0万人と11月の同比+19.9万人からの増加幅の減少が見込まれている。
昨年12月12-13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、今後の政策決定はデータに依存すると言及されていた。今夜発表される米12月雇用統計が予想通りに雇用情勢の悪化を示した場合、3月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始確率が高まることで、ドルの上値を抑える要因となる。
一方、予想に反して、堅調な雇用情勢が示された場合は、12月のFOMC議事要旨での「景気抑制的な政策スタンスを当面維持することが適切との見解で一致」というタカ派的な見解がドルを下支えする要因となる。
12月FOMC議事要旨では、ハト派的な解釈として、物価上昇率に関して政策立案者が「容認できないほど高い」との表現が使われなかったこと、インフレ「上振れリスク」が減退したという見解を確認し、「過度に制約的な」金融政策が経済に与える影響への懸念が示された。
タカ派的な解釈としては、利下げの開始時期が明らかにされなかったこと、経済の見通しに関して非常に高い水準の不確実性が指摘され、さらなる利上げの可能性も依然としてあり得ることが示された。そして、「インフレ率が委員会の目標に向けて持続的に低下することが明らかになるまで、しばらくは政策を制約的なスタンスにとどめることが適切だ」と強調されていた。
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