【本日の見通し】明日の米CPIにらみ、慎重な動きか 流れはドル高方向意識
海外市場でドル円は一時143円台を付けたものの、144円台半ばまで上昇した。米債利回りが一時低下傾向を見せ、ベンチマークとなる10年債利回りが4%を割り込んだが、すぐに戻してきている。4%割れでの動きに慎重な姿勢が見られた分、いったん債券売り(利回り上昇)が出やすい地合いと見ており、ドルを支えてくると見られる。
ドル円はNY市場での143円台からの上昇を受けて、堅調地合いが意識される。ただ、今週最も注目されている材料である米消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控える中、積極的な上値トライはやりにくい。前回見られたエネルギー価格の大幅な低下が落ち着くとの見方から、今回のCPIは前回から伸びが強まると見られており、予想前後であればドル買い材料となりうるだけにドル売りが入りにくいが、ブレの大きい指標であること、項目として全体の占める割合が最も大きい住居費の伸び鈍化が見込まれていることなどが全体を押し下げてくる可能性があることなどから予想を下回って一気にドル売りが出る可能性があり、発表までは動きにくい。
ドル円は144円台を中心とした推移が続くと見ている。145円前後での買いには少し慎重な姿勢が見られそう。
ドル高がやや優勢となる中、ユーロドルは上値が重い展開となっているが、1.09台での推移に留まっており、今日も大きな動きにはならないか。1.0950超えの重さが意識されると、1.09割れトライとなる可能性があるが、その場合でも値幅は抑えられると予想している。
MINKABU PRESS 山岡和雅
みんかぶ(FX)