本日これまでのドル円は先週末以来の145円台を回復するなど堅調な動き。クロス円の上昇や、米早期利下げ観測の後退が支えとなっている。
ドル円は今週に入り、8・9日ともに神経質な動きになるも上昇気味に推移している200日移動平均線(本日 143.49円近辺)を支えに143円半ばで下げ渋ると、本日は145円台を回復した。今年に入って「日銀緩和策の早期修正・米早期利下げ」思惑を背景としたドル売り・円買いが和らぎ、ドル円はNYタイムでも底堅い動きが見込まれる。
ただ、本日予定されている米経済指標は11月米卸売売上高程度で、ドル円は米10年債入札の結果を受けた米長期金利の動向に睨んだ動きとなる。後、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の講演が予定されており、同氏の発言内容に注目したい。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は昨年12月中旬に「3月利下げについて考えるのは時期尚早」と述べ、市場の早期利下げ観測に冷や水を浴びせた。米10年債入札、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言を受けてドル円に動意づく可能性はあるが、明日に12月米消費者物価指数(CPI)待ちムードが強く積極的な取引は手控えられ、145円台では伸び悩む展開が想定される。
先週末に発表された12月米雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を上回り、賃金も引き続き底堅いペースで上昇し、米連邦準備理事会(FRB)が3月に利下げを開始するという観測に疑問を投げかける内容となった。明日発表予定の米12月CPIは前月・前年比で鈍化傾向が一服し、前月から伸びが拡大すると予想されている。一方、FRBが注視するコアCPIは前年比で前月の+4.0%から+3.8%に伸びが鈍化すると見込まれている。12月米CPIが雇用統計に続いて強い結果となるか、それともインフレの鈍化傾向が続いていることを示し、市場の利下げ観測を後押しする内容になるかが注目される。
・想定レンジ上限
ドル円は5日の高値145.97円が上値めど。
・想定レンジ下限
ドル円は本日これまでの安値144.32円や日足一目均衡表・基準線143.88円が下値めど。
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