本日のロンドン為替市場ではまず、12月英インフレ指標を受けたポンドの動きを見極めたい。その後は、複数の欧州金融当局者の講演内容を見定めながらの取引となる。
昨日の英雇用データでは、9-11月の週平均賃金(除く賞与)が+6.6%と下方修正された前回+7.2%から下振れた。一部市場の予想通りではあったものの、賃金上昇率の鈍化傾向が顕著となったことで、今後もインフレ減速が続くとの見込みが高まった。短期金融市場では、英中銀の5月(今年3回目の会合)0.25%利下げに対する織り込み度が約65%まで拡大。先週は一時、50%近くまで低下していた。
本日の12月英消費者物価指数(CPI)は前年比+3.8%、同コアが+4.9%とそれぞれ前回+3.9%と+5.1%から低下予想。早期の米利下げ観測後退を背景にドル高地合いが強まるなか、もし英CPIが想定よりも弱いとなれば、ポンドドルが下げ足を速める場面もありそうだ。
欧州中央銀行(ECB)関係者の講演は、欧州午前にチポローネECB専務理事から始まり、スロベニアやリトアニア、そしてフランスの中銀総裁が予定されている。12月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値の発表を挟み、午後にはクロアチアとオランダの中銀総裁が講演予定。結局はその後のラガルドECB総裁が最も重要ではあるものの、ECB理事会のなかでも相違が目立ち始めたインフレへの見解をそれぞれ確かめることになる。
ユーロドルは昨日、レンジを下方向にシフトしてきた。チャートを見ると、200日移動平均線が1.0848ドルに位置し、本日1.0828ドルの日足一目均衡表・雲の上限も明日から1.0850ドル台まで上昇してくる。下値を試す展開となった場合、1.08ドル半ばを巡る攻防が注目となりそうだ。
想定レンジ上限
・ポンドドル、昨日高値1.2737ドル
・ユーロドル、昨日高値1.0951ドル
想定レンジ下限
・ポンドドル、200日移動平均線1.2549ドル
・ユーロドル、90日移動平均線1.0771ドル
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