【今週の注目材料】インフレターゲットの対象であるPCEデフレータはCPIほどの強さを見せないか
26日に12月の米個人消費支出(PCE)デフレータが発表されます。米国のインフレターゲットの対象指標である同指標ですが、同系統の指標である12月の米消費者物価指数(CPI)が既に11日に発表済であり、注目度は少し落ちます。
12月の米CPI前年比は+3.4%と11月の3.1%、市場予想の+3.2%を上回る伸びとなりました。食品とエネルギーを除いたコア指数前年比は+3.9%と11月の+4.0%からは鈍化も市場予想の+3.8%を上回っています。
ただ、12日に発表された米生産者物価指数(PPI)は前年比+1.0%と11月の+0.8%よりは強い伸びとなったものの、市場予想の+1.3%を大きく下回りました。コア指数の前年比は+1.8%となり、11月及び市場予想の+2.0%を下回っています。
物価統計が好悪まちまちとなっただけに、PCEデフレータの結果が注目されます。市場予想は前年比+2.6%と11月と同水準。コア前年比は+3.0%と11月の+3.2%から鈍化見込みとなっています。
米CPIが強めの伸びとなった背景には全体を100としたとき34.8%を占めるかなり大きな項目である住居費が前年比+6.2%と高い水準を維持したこと、ガソリンが11月の-8.9%から-1.9%まで低下幅が縮んだことでエネルギー全体でも11月の-5.4%から-2.0%に低下幅縮小が見られたことなどが背景にあります。
PCEデフレータでもこの傾向は同じですが、住居費が指標全体に占める割合がPCEデフレータの方がかなり小さいため、全体の伸びが抑えられ、総合で11月と同水準、コアで0.2%ポイントの低下が見込まれることとなっています。
インフレターゲットの2%には届いていませんが、予想前後であれば、今後の2%に向けた期待が残ると見られます。予想に反してCPI同様に11月から伸びが強まっているようだと、ドル高になる可能性があります。
MINKABU PRESS 山岡和雅
みんかぶ(FX)